志高い社員が生まれていく「在り方」の力

もしかして、「在り方」に目を向ける機会が来たのかもしれません。
「在り方」。
わかったような、わからないような言葉ですが、「在り方」を意識するようになると、仕事ぶり、取り組みぶりが変わってきます。
「在り方」が変わると、その人が全身で発する気のようなもの、あえて言うならばオーラが変わります。
「在り方」
ぜひ考えてみませんか?
目次
「在り方」とは何か?

「在り方」。
よく聞きますし、ふと口に出ることもよくありますよね。
しかしふと口に出るだけあって、わかったようでわからない。
そもそも「在り方」とは、どんな意味なのでしょうか?
辞書にはこのように書かれてあります。
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1 ある物事の、当然そうでなければならないような形や状態。物事の、正しい存在のしかた。「会議のー」「福祉のー」
2 現にある、存在のしかた。ありさま。ありがたち。
「その消息(あるかたち)及び地形(くにかた)のーを伺(み)る」〈景行紀〉
「Weblio辞書」より
https://www.weblio.jp/content/%E5%9C%A8%E3%82%8A%E6%96%B9
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2番目については、実際の(より物理面の)形姿を表現するときの用法ですね。
今回は、1の「在り方」がテーマになります。
1を見ると、大きく二つの要素で成り立っていることがわかります。
一つは、ある物事、です。
ある物事、ここでは会議や福祉が例に出されています。
それらを、成功させたり、良い状況にしたいわけですね。
もう一つは、当然そうでなければならないような形や状態。
正しい存在の仕方、とも言い換えられています。
ある物事を目指す姿にするために、正しく必要な姿があるというわけです。
「在り方」が成り立つためには、
理想の「未来」と、理想から導かれていく「現在」があるわけですね。
未来と現在をまっすぐつなぐもの、それが「在り方」とも言えるでしょう。
わたしは、「在り方」を
「『在りたい姿』のための『在るべき姿』」とも呼んでいます。
このように見ていくとシンプルです。
ただ、それだけではなく、実際のわたしたちの人生に照らし合わせると、非常に示唆に富む定義なのです。
「在り方」のもたらすこと
あなたにも、「こうなりたい」という目指したい姿、目指したい未来があるはずです。
売上のこと、組織のこと、人財育成のこと、私生活かもしれません。
その「未来」=「在りたい姿」を実現するために、欠かせないものが「在り方」というわけです。
たとえば
難関大学にどうしても合格したい。そこでしか学べないことがあるんだ。
そんな「理想の未来」=「在りたい(自分の人生の)姿」を持っているが、今の成績のままではおぼつかない。自覚しつつも、必要な勉強をしょっちゅうさぼってしまったり、苦手な分野の勉強を避けたりしている。
このような状態のまま、目指す難関大学に合格すると思われるでしょうか。
こんなことを思うはずです。
「さぼらずにもっと勉強をしたがいい」
「苦手なことに逃げずに取り組んだ方がいい」
そうでないと、難関大学には決して合格できないよ、と。
つまり、今の状態や姿は、成績の悪い人が難関大学を目指すための在り方ではないよ、と。
「現在の姿」が「未来の姿」に直結していることを、直観的にわかっているのですね。
言い換えれば、
「今の在り方」が、「結果としての未来」を形作っている。
逆にいえば
「今の在り方」が変われば、「結果としての未来」も変わるのです。
「在り方」とは、理想の未来をつくる「根っこ」であり、「土台」なのですね。
「在り方」がゆらぐと、未来が揺らぎます。
「在り方」が無いと、未来はいつまでも未定なのです。
その観点から、「在り方」とは、目指す姿のための「初期設定」とも言えるでしょう。
電子機器でもなんでも、初期設定で定めたどおりの出力結果を得ますよね
初期設定を変更すると、出力結果もちろん変わります。
今、あなたの会社は(あなた自身は)、どんな「初期設定」を持っていますか?
そんなことが問われているのですね。
「在り方」は、現在をも豊かにし、志を高める
「在り方」には、未来をつくる力があります。
同時に、「在り方」は現在の仕事や人生を充実したものにするのですね。
「在り方」は、現在仕事したり生活したりするための、根っこ部分です。
その根っこに沿って仕事をし、人と接し、自己成長するわけです。
ひとは、自分の中に確固たるものがないときに、不安や怯えが生じるものですよね。
自己肯定感がゆらいだり、他人と比較して自己卑下をしてしまったり。
「在り方」をもって仕事や人生を送ると、自分に根っこがあります。
自信をもって毎日取り組むことができます。
ただし、良い時ももちろん大切ですが、「在り方」が真の効果を発揮し、また試されるのは、良いときではなく、悪い時なのです。
困難なときにこそ、「在り方」の真の力が試されます。
たとえば、
「お客様から心から支持されて発展する会社になりたい」
そんな「在りたい姿」のための「在るべき姿」が、「顧客の悩みにはとことん付き合う」だったとしましょう。
そんな会社では普段、社員たちはお客様のお話をよく聞き、じっくりと解決策を出しています。お客様もとことん付き合ってくれる社員たちを信頼し、相談してくれています。
しかしながら、市場環境が変化し、利益率も減少していく困難な時期になった。
少しでも効率化したい、無駄なコストはかけたくない。お金が減っていく恐怖は、他の恐怖とは質が違いますので、なおさらです。
そんなときには「顧客の悩みにはとことん付き合う」社員達は、どうしてもぬるく、未熟にも見えてしまいます。
会社の経営状況は困難。効率化したい、いますぐ利益を上げたい。
でも、本当にそれでいいのだろうか。
わたしたちが本当に大切にしたいことはなんだったのだろうか。
このようなときに、真の「在り方」が問われます。
暴風雨のとき、幹を支える根っこは、いまどんな状態なのか。
根っこが試されるのです。
上記には正解はありません。
ありませんが、そのときに何を選ぶか。
それが、あなたが本当はもっていた「初期設定」です。
その後の未来もその「初期設定」に従って出力されることになるでしょう。
もし、もし、上記のようなときに、
何かしらの知恵や工夫や一体感をもって
「それでも、わたしたちは『顧客の悩みにはとことん付き合おう!』」
この「在り方」を選択し、困難な状況を乗り切ったとき、
社員たちの自信といよりもむしろ覚悟、そして人間としての成長が数段階も高まることは間違いありません。
そして、思うはずです、
今この瞬間に、この現在、もっとも大切な「在り方」で仕事をして人生を送れているということに心からの誇りや喜びを。
もちろん
「お客様から心から支持されて発展する会社になりたい」という目指したい姿は、より一層の高い志あるあざやかで、深く根を下ろすものになるでしょう。
「在り方」とは、未来から導かれる現在。
と同時に、とくに困難なときにこそ、その現在を選ぶことによって、未来さえもより一層輝かしいく深いものにするのです。
「在り方」とは、未来と現在を、まるで螺旋階段のように、いつまでもお互いに高めあっていくものともいえるでしょう。
だからこそ、そんな「在り方」で生きられている現在は、限りなく豊かになります。
あなたの「在り方」はなんですか?
もし、今現在があまりうまく行っていない状態だとしたら、いまいちど「在り方」を見つめ直してみることをお勧めします。
過去の「在り方」が、今の状態を作っています。
「在り方」を見つめ直すことによって、その状態を突破する「あなた自身の内にある」ブレークスルーが見つかってまいります。
たとえば、こんな風に問いかけてみませんか?
・目指したい未来はどんな未来でしたか?
・その目指したい未来は、どうしてそこまで目指したいのですか? 本当ですか?
・そのために、必要だとおもう在り方とは何ですか?
・困難なとき、あなたはどんな選択をしていましたか?
・あなたの最も弱い自分は何ですか?
・あなたが人生の中でどうしてもゆずれないことは何ですか?
さてさて、逆に言えば目指す未来は、今ここから選べるわけです。
今から、「在り方」を選び直すことで、そこから目指す未来は直結していきます。
「在り方」は、いつでも選び直せます。
いつでも立ち上がることができます。
必要なことは「在り方を選ぶ勇気」だけです。
在り方を選ぶという勇気を持てること。
それがまず何よりもすごい在り方であると、私は心から信じています。
まとめ~人は弱い、だからこそ~

「在り方」が揺るがない人は、心から信頼できますよ。
言葉に出さずとも、立ち居振る舞いだけでそのオーラを感じます。
同時に、わたしは、たとえ在り方が揺らいでも、
つねに「在り方」を見直し続ける人も、心から尊敬します。
わたしは、人は尊いが弱い生き物であると感じています。
だからこそ、「在り方」はしょっちゅう揺らいでしまいます。
わたし自身、困難な場面では揺らぐ自分に弱さを感じながら、自分の中で葛藤し続けています。
でも、それが人間ではないかな、と。
だからこそ、「在り方」を見直し続けられる人は魅力があふれています。
とても人間臭くて大好きです。
「在り方」
奥が深いですね。
願わくば、あなたやあなたの会社の社員たちが
その「在り方」で仕事をすることを楽しみ、成長のための大切な土台にしてくださることを。
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