リーダーは「夢」を持たなければならない
目次
なぜ「夢」は大切なのか?
企業の経営者やリーダーこそ夢が必要です。
「現実」なんていわないでください。
現実があるのはだれでもわかっている。
対処しないといけないこともわかっている。
そんな「あたりまえ」のことで、
自分をストップさせないでください。
“それでも”、
こうしたい、こんな会社にしたい、
こんな事業をしたい、つくっていきたい。
そのように思えるから、語れるから、素敵なのです。
「人生を賭けるに値するのは、夢だけだと思いませんか?」
わたしの好きな漫画で浦沢直樹さんの
「MASTE KEATON(マスター・キートン)」での言葉です。
学生時代に読んだ言葉。
いまも忘れられない言葉です。
今世の中にあるもの、すくなくとも創られてきたものすべては、
誰かの夢、希望、願いで作られてきました。
この文章を書いているパソコンも、
仕事先にいく電車も、窓から見える家やビルも、
このブログも、
この“文字”でさえ、誰かが最初に生み出しました。
あなたの会社の製品、サービス。
それもはじめは、
だれかの、あなたの願いであり、思いであり、夢であったはずです。
お客さまや社会も、それに触れ、利用することで
よりできなかったことができるようになったり、
あきらめていたことができるようになったり、
仕事や人生がより豊かに、実りあるものになり、
もっと先の夢や思いを抱けるようになってきたはずです。
すこしでも自分や誰かの生活や人生をよくしたいと願って。
一方、もちろん、知っています。
相当にロマン主義で、相当にお花畑であることも知っています。
世の中は夢をかなえられなかった人たちの歴史でもあることを。
だから、
人や自分を見て無謀だと思うこともありますし、
現実的な手順をしっかり考えようともしょっちゅう思います。
別に夢なんてもたなくても暮らしていけるし、
夢を持つことを否定する風潮があることも知っています。
全部まるごと、その通り。
でも、“それでも”、
まるごと現実を引き受けてなお、
よりより未来を見、夢を描き、希望を示すからこそ、
社員も、お客も、そして自分自身の熱い心も、
ひとつになることができるのです。
前へ進み、道を切り開くエネルギーが
ふつふつとわいてくるのです。
「人生を賭けるに値するのは、夢だけだと思いませんか?」
この言葉が一層響きます。
その夢が大きいか小さいかは問題ありません。
社会を変える大きな夢もあれば、
この社員たちをもっと安心させたい、
「いい会社だ!」と言ってもらいたい。
どちらも本当に素敵です。
夢の形も変わることもあるでしょう。
会社の在り方が変われば、夢の形もどんどん変わっていく。
夢は目標ではないのですから、
もう描けるままに描いていいのです。
心が弾み、勇気が出て、前に進むエネルギーがわけば、
もうなんでもいいのです。
もし、「夢の機能」なんて、
堅苦しいことをいうとすれば、
「ワクワクさせてくれること」
と答えるでしょう。
日々の仕事の中に、生活の中に、
夢があることは、どれだけ人生が豊かになるだろうと思います。
どんなつらい気持ちのときも、
前を向いて生きることができるのはなんて素晴らしいんだろうと。
大小さまざまな100万個の夢のたったひとつでもかなったときに、
と喜べるとき、または大切な人たちが喜ぶのを見たとき、
「ああ、人生って素晴らしい」
と、ふと言える一瞬が、どれだけ全人生を彩ることか。
ギリシャには、時間を表す言葉に、
「クロノス」と「カイロス」とがあります。
「クロノス」とは、時計で刻むような時間。
0歳から始まって1歳、2歳…10歳…30歳…50歳…死…
のような、直線上に刻む「時間」のことですね。
科学や日常のスケジュールで管理よく使われる時間です。
一方、「カイロス」とは、「時」のことです。
その「時」が来た! その「時」です。
一瞬だけども、永遠。永遠の一瞬。
その「カイロス」の一瞬が、人生を永遠なものにします。
わたしたちは、本来、「カイロス」で生きています。
子供はとくにそうですよね。
6月2日、3日、4日…ではなく
「今日は、お父さんが早く帰ってきた!」
「明日は、川に魚釣りに行こう!」
「あさっては、お誕生日会!」
大人だっておんなじです。
人生のすべての時点時点のことは覚えていないけれども、
楽しかった思い出、うれしい出来事(つらかったことも)などなど、
そんな「カイロス」をかみしめながら生きています。
未来に対しても求めているのは、「カイロス」。
どこかの時点でいったんこの世から退場するときに
脳内に宿る走馬灯に映し出してほしいこと。
夢が大切だとしたら、
そんなカイロスを作りうるからなのでしょう。
「人生を賭けるに値するのは、夢だけだと思いませんか?」
まだまだわたしの記憶に残り続ける
大切な言葉です。
P.S.
これからもブログをお届けしますので、お忘れないようブックマークしてくださいね。
こちらも役に立ちます(「一言で社員のやる気を変えられるリーダーの言葉術とその秘訣とは」)
執筆者紹介
オフィスオントロジー
代表 友成治由
人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家
10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。
哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。
経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など
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