ビジョン経営ことはじめ。現実化するビジョンイメージのつくり方
目次
現実性のないイメージなんて・・・??
目指す会社をつくりたい! 絶対叶えたい!
ならば、目指す会社の未来像を描こう!
では、どうやって?
どんな未来を描き方をすればいいの?
それが今日のテーマです。
経営ではビジョンの大切さはよくいわれます。
「ビジョン経営」
「わが社のビジョン」
「ビジョン100年計画」
など、さまざまなビジョンを掲げて、
日々、張り切っておられます。
ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』。
叶えたいことをいつも考えたりイメージすることで
それは現実化するというものです。
もう世界中でベストセラーで、古典といっていいでしょう。
ビジョンのまさに元となる、未来のイメージ。
「イメージ」の力をなんとかモノにして、
その実現可能性をできるだけ高めたいところですよね。
じゃあ早速イメージしよう!
・・・結構難しくないですか?
意外にイメージが出ない。
出てもありきたり、本当にこれでいいのかな、と。
未来をイメージする場合には、ある鉄則があります。
この鉄則から脱線すると、
イメージしたはいいが、いつまでたっても現実は変わらない、
という事態になります。
わたし自身、気づくまでに時間がかかりました。
わたしは、ドリーム・プランプレゼンテーションという
起業家や社会事業家たちの「夢の事業」プレゼン大会のメンターをしたり、
学生や子供たち向けに「夢」の授業を行なったりもしています。
相談者とメンタリングやコーチングでセッションをするときには
よく「イメージしてみましょう」という問いかけを行います。
わたし自身も一人の時でも自分に問いかけたりします。
きっとあなたもそうでしょう。
さて、そんなイメージですが、
イメージをするときには、
「制限を外して、自由にイメージすることが大切だ」
とよくいわれます。
「でも、自由っていうけど、現実性のないイメージなんて、意味ありませんよね?」
そう思ってしまいます。
そう言いたくなる気持ちもわかります。
しかし、自由に描く、というときには
「とにかく自由に」が描きましょう。
現実性があるかどうかなんて、
この段階ではまったく必要ありません。
自然に思い浮かぶままに自由に描くのです。
では、なぜそんなに自由にイメージすることが大切なのでしょうか?
それは、
「気持ちがワクワクできるから」
なのです。
この、
「気持ちのワクワクさ」
が非常に重要です。
経営において、
営業でも人材育成でもあらゆる施策を実施していく時に、
この「気持ちのワクワクさ」問題は、
実に結果を大きく左右します。
脳の話でいえば、
脳がまっさきにジャッジするのは、危険性や脅威です。
生存をつかさどる原始的な脳がまっさきに反応します。
原始脳は門番のようなもの。
危険性や脅威を察知するとその段階でそれ以上の情報は
脳全体に行きわたらせません。
反射的に危険回避行動へと自動作動します。
つまり、つかえる脳の能力に、
大幅な制約がかかるのですね。
現実性ばかりのイメージは、
危険性や脅威がそれ以上行きわたらないように
自動的に枠をはめられたイメージのことです。
たしかに安全で、無難ですが、
脳視点は、元々のモチベーションが
「危険性回避」という逃げのモチベーション。
だからそのイメージに対して、
対してやる気も起こりませんし、
そのイメージに想定外の出来事が起こった場合は、
イメージ自体を破棄してあきらめてしまいます。
逆に
「気持ちのワクワクさ」
があるとどうなるのか?
脳はワクワクしたり楽しかったりうれしかったり、
そんな情報に出会うと、いっせいに脳全体をつかっていきます。
原始的な脳を突破し、
感情をつかさどる中間的な大脳辺縁系はワクワクする情報を脳内走り回って集め、
最新進化の大脳新皮質まで到達します。
活性化ホルモンがビュンビュン出て、
シナプスネットワークが何重にも結合して活性化し、
「気持ちのワクワクさ」は全脳に行きわたりますので、
創造性、想像性、思考性など、人間としての能力が
最大限に発揮されることになります。
自由なイメージは、
この「気持ちのワクワクさ」を生み出すことができます。
いや、逆のほうが大切です。
「気持ちのワクワクさ」を生み出すために、
自由なイメージが必要なのです。
いったん現実性は横に置く。
自由に自由にイメージする。
イメージするだけならタダです。
もう遠慮なく浮かぶままに。
そうして
「気持ちのワクワクさ」
が湧き上がってくるところまできたらもう成功。
それから、
「気持ちのワクワクさ」
とともに、実現性をみていくのです。
いままでできそうになかったことは実はアイデアひとつで
解決できそうだと知恵を絞ったり、
壁だとおもっていたことも、超えるモチベーションがわいたりします。
つまり脳全体もフル回転し、
モチベーションも持続しますから、
たとえ想定外のことが起こっても、
ここ一番で、あきらめずにいられるのです。
気もちの乗らない施策は実際本気度も違いますよね。
いつも疑いながらブレーキをかけながらアクセルを
踏んでいるようなものでは実施の効果も上がりません。
これからは、
「実現させるためにイメージする」
から
「気持ちがワクワクするためにイメージする」
に変えましょう。
かえって、
モチベーションもアイデアも努力のやりがいも出てきて、
実現性が高くなります。
自由にイメージできる方法
さて、
「でも・・・」
といいたくなるもの、ココなのです。
自由にイメージすることが大切だとはわかった。
でも、
「自由になっていない・・・」
そう、イメージするって、
簡単なようで意外に難しいんですね。
ちょっと実験してみましょう。
「人類が見たことのない生物をイメージしてください」
と言われたら、どんな生物を想像できますか?
10、9、8、7、6.・・・・
どうでしょうか?
冷静にその想像を見つめてみてください。
「どこかで見たことがあるなあ」
ってものになっていませんか?
火星人のイメージは、タコみたいな姿。
想像上の動物“麒麟”は、四本足でたて髪で、、、「馬」の応用ですね。
わたしたちは、自由にイメージはなかなかできず、
何かのネタを広げる形でしかイメージできない仕組みになっています。
なかなかワクワクするようなイメージができないのも、
ここに原因があります。
イメージが過去の現実に引きずられてしまうのですね。
「今の現実」から未来をイメージしてしまうことで現実に引っ張られてしまい、
自由だと言われても、なかなかイメージの羽が広がらないのです。
しかもわたしたちは多かれ少なかれ
「今の現実」に何かしらマイナスを感じています。
だからこそ、イメージで未来をよいものにしたいとも思うわけで
「今の現実」で感じているマイナス、恐れや不満などもセットになるのですね。
どうしてもその未来を叶えたいというわけではなく、
今から逃げたいという感覚がどうしてもイメージの中に
入ってきてしまう。
それではワクワク感も起きようがありません。
つまり未来をイメージするときは、
「今の現実」から出発してはどうしてもうまくいかないのです。
ではどうするのか?
それは
「未来からイメージする」
です。
自由にしていいというときは、
もういったん「今の現実」は横におきましょう。
あなたの未来は、何の魔法かわからないけれども、
とにかく〇か月後、〇年後にはがらりと変わっている。
未来のあなたが、今のあなたに何を話しているのか?
そんな感覚でイメージしてみます。
今の現実は全く関係が無い、
まったく新しい未来にいるならば、
あなたはどこにいて、何をして、何を語っていますか?
きっとそんな未来のあなたは、
「大丈夫だよ、安心して」
と語り掛けているのではないのでしょうか?
「今の現実」にひきずられることなく
より自由に想像できるようになってきます。
そんな未来ならば、逃げたい、避けたいよりも、
「叶えたい、実現したい」未来になりますので、
より前を向いたエネルギーやワクワク感もわいてきます。
まとめ~現実逃避? 現実創造?
「それって、現実逃避じゃ・・・」
そうです。
現実逃避です。
でも、
「自由にイメージしていい」
とわざわざ許可されているときにまで
自由にできない自分自身なんて、
それこそ悲しくなりませんか?
脳の話を思い出してください。
「実現させるためにイメージする」
ではなく
「気持ちがワクワクするためにイメージする」
だからこそ、
脳全体もフル回転し、眠っていた素晴らしい力が発揮されるのです。
だからこそ、
「現実」を乗り越える知恵もアイデアも勇気もわいてくるのです。
だから、
これこそが現実創造の、実は現実的なスタートなのです。
「今の現実」にひっぱられてしまうと、
「今の現実」から考えられる以上のイメージはわいてきません。
だから、
未来をイメージするときは「今の現実」からいかに離れて
自由にイメージを羽ばたかせられるかが工夫のしどころです。
たとえ15分でもいい。
その時間だけは、
「自由に、未来からイメージしよう」
と決めて、その時間だけは、
とにかく自由に、
ワクワク感を感じるところまでイメージしてみてください。
そんなちょっとした工夫の積み重ねか、
「現実化する思考」になるか「現実に押しつぶされる思考」になるか、
大きな違いになります。
充実した事業や人生を送っている人って、
やっぱりどこかいつもワクワクして、弾んでいますよね。
その人たちも、同じ現実を生きている。
でもピンチが起こっても自然にチャンスにしようと思えるし、
より新しい境地に行こうといつも挑戦し続けている。
同じ現実を生きても、
この世に見ているイメージが違うのです。
「気持ちがワクワクするためにイメージする」
「今の現実」の延長でイメージするのではなく、「未来」からイメージする。
未来のあなたは、あなたに何を語り掛けていますか?
あなたがもっともワクワクする未来を語り、
ワクワクする言葉をかけてくれているはずです。
未来の笑顔のあなたと仲良くしてみませんか?
P.S.
これからもブログをお届けしますので
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執筆者紹介
オフィスオントロジー
代表 友成治由
人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家
10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。
哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。
経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など
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