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モチベーション

どうしたら社員は動く?真に人を動かす「本質価値」とは

社員とひとつになれる会社は力強いものです。

社員は社長を信頼し、雰囲気も明るい。

ひとりひとりが仕事に打ち込みながら、皆で同じ目指すもののために協力しあっている。

 

100年以上前の南極探検家、アーネスト・シャクルトン卿の話は、人間が本当に求めているものは何なのかを教えてくれます。

本質価値を味方につければ、あなたの会社の社員たちの心に火がつきます。

モチベーション高く能力を最大限発揮するイキイキした組織に変わることができます。

目次

アーネスト・シャクルトン卿のメンバー募集広告

それは100年以上前の装備です。
探検中にほんのちょっとでも想定外があれば、それは即「死」を意味していました。
もしあなたが、その探検隊メンバーを募集するとしたら、どのように集めるでしょうか。

報酬を思いっきり弾むでしょうか。
大丈夫だから、といいくるめて集めるでしょうか。
権力ルートを使って、無理やり集めるでしょうか?

シャクルトン卿は、このような募集広告を出しました。

「男子求む。至難の旅。
わずかな報酬。極寒。何か月にも渡る暗黒。
常なる危険。生還の保証は無い。
帰還に成功すれば、名誉と賞賛を得るだろう。」

たった数行のこの広告に、若者の応募が殺到したそうです。

若者たちは、報酬にひかれたのではありません。
南極探検から得られる、「何か」にひかれたのです。
人間が本当にほしいものは、その「何か」なのです。

「ひと」はなぜ動くのか?

わたしたちは、日々様々な業務や仕事をしています。
中にはやりたくないこともあれば、面倒くさいこともあります。
なぜ、それでもやるのでしょうか?

それはそこに何らかの価値があるからです。

たとえば、それをやることで「給料がもらえる」「評価が上がる」「怒られなくて済む」「人間関係が保てる」…などなど、そのような価値があるから、やっているわけです。

あなたは社長かもしれません。でも生身の「ひと」です。
社員たちも、社員ではありますが、生身の「ひと」です。

会社であろうと役所であろうと、どんな組織でも、「ひと」の集まりです。

便宜上「社長」「課長」「社員」のような社会的仮面で過ごしていますが、
根底にはつねに生身の「ひと」としての欲求や思いがあります。

人間はだれもが何らかの欲求があり、
それを満たすためにすこしでも価値あることをしようとしていますし、
それができない場合に、強烈な不満や失望、怒りを感じてしまいます。

人事制度や評価制度、最新手法や高度な手法…
組織活性化や変革というと、社会的仮面内での方法や手法を考えることが普通でしょう。

しかし、人が動くのは、
それが「ひと」としての自分にとって価値があるからです。

社会的仮面をかぶるのも、
それが「ひと」としての自分にとって価値があるからです。

だから、どんなに緻密で高度な手法や制度であっても、
生身の「ひと」に響かなければ、
決してモチベーションを引き出すことはできません。

せっかくの手法が”やっている風”だけになり、
本来の効果を発揮できずという事態になります。

真に組織活性化を目指し、
社員のモチベーションやや能力を引き出そうと思うならば、
「ひと」という視点こそが鍵になるのです。

「お金」なら「ひと」は動くか?

ではそんな「ひと」は、
何を求めているのでしょうか?


一般的に単純に考えれば、お金、と思いがちですよね。
社員にお金をたくさんあげればモチベーションがあがり、
ミスしたらお金を失うことをほのめかせばモチベーションは維持できる、と。

お金はもちろん大切です。
お金があることによって生活が維持でき、
豊かになるのですから、
決して無視はできません。

しかし、実のところ、お金は

「より高いモチベーションを引き出す」

というものではありません。

心理学者ハーズバーグの職場モチベーション研究では、
給料とは「職場への不満足を無くす」ことには役に立ちますが、
「満足を生み出す」要因ではないのです。

もちろん人間にはお金の欲求は強くあります。
ただ、低次の欲求なのです。

心理学者マズローの欲求段階説では、
底辺の「安全性の欲求」に位置付けられます。

だから、
ある程度お金の面で安全になったら、
ほかのことにより高い満足を求めることになります。

本質価値とはなにか?

それは自己実現であったり、
他者への貢献であったり、
生きる意味になるものです。

そういったことに、
「ひと」はより大きな幸せ、
満足した幸せを感じます。

感覚的にはわかりますよね。

お金を多少多くもらえるよりも
思いっきり自分の才能を活かせる仕事をしたいものですし、
人間関係が充実している職場にいたいものです。


「本質価値」とは、
人間の高次の欲求に訴えるものです。

「本質価値」とは、なくてはならない大切な価値を言います。

それも生身の「ひと」としてなくてはならない

「自分や人生の意味」

に通ずるような価値を言います。

シャクルトン卿が提示したのは、
「冒険心」や「勇気」や「名誉」でした。

誇らしい自分、困難に敢然と立ち向かうことのできる人生でした。
若者はそんな南極探検の「本質価値」に魅了されたのです。

会社はビジネス、財やサービスを交換し合うことによって成り立っています。
だからそれが継続さえできれば、成立します。

だから皮肉をこめていうなら
本質価値とかなんとか、あんまり関係ありません。

「お金が回ればそれでいいじゃないか。」

そのように言う人がいたとしても、
反論する気にはなれません。

しかしながら、
仕事というものにビジネス以上の意味を求めるのが「ひと」なのです。

もし自分の仕事が、

「お金が回る仕組みの一部」

という意味しかなかったとしたら、
そのモチベーションは「給与」や「休暇」など
低次の欲求にしか見つけられません。

だからモチベーションもその程度しかあがりません。

そんな中で「仕事をがんばれ」「やる気をだせ」と言われても、
やる価値が見いだせないのです。

でも、もし会社に、
その会社にしかない「本質価値」があれば、

いいかえれば、
その会社にしかない「ひと」としての究極の幸せがあれば、

社員の心には火が着き、
より高次の欲求の自分や人生を求めて、

仕事そのものに対するモチベーションが高くなり、
能力を発揮しようとするのです。

本質価値はあなたの会社にも見つけられる

たとえばディズニーランドのキャストたちは有名です。

ディズニーランドを辞めてもなお、
ディズニーランドを愛し、
その良さを伝え続ける人の割合がなんと多いことか。

キャストたちにとっては
ディズニーではたらくことに
「かけがえないのない意味」があったのでした。

ディズニーは夢と魔法と冒険の王国。
そんなファンタジーに魅了されて集まり、
そのファンタジーを自分たちが感じ作り出す喜びがいっぱい。
そこにしかない究極の「ひと」の幸せを体験したのです。

そこに参加できたよろこびは一生ものです。
一生、人生の大切な時間として心に残り続けます。

南極探検隊やディズニーのような企業だけでなく、
一見地味に見えるB to B企業でも全く同じです。

B to B企業にも、

「社会のインフラを支える誇り」
「より便利な生活を生み出す創造性」
「信頼されて感謝される喜び」
「故郷を支える使命感」
「特定の困難な人たちを救っていくうれしさ」

などなど

そんな、
その企業だからこそ体験できる意味が
実に豊かに存在します。

「ひと」が活動する場所には、どこにでもかならずあるのです。

一般論やどこかで聞いたようなきれいな言葉ではなく、
あなたの会社だからこそ大切にする価値として明確にしましょう。

それを失ったら会社の「魂」を失うような、
思い浮かべるだけで熱がこもっていくそんな価値。

本質価値。

あらためて発掘し、明確化し、共有化しましょう

その本質価値がもたらす
「究極の幸せ」を社員が実感するとき、
会社はひとつになり、
社員は最大限の力を発揮し始めるのです。

本質価値は業績向上をもたらす

本質価値は、社員にはたらくエネルギーを
もたらし生産性を上げるだけではありません。

お客様を会社に引き寄せるのも
本質価値です。

お客様の側から見ても、
その会社から味わえる本質価値を求めて、
その会社を選びます。

ディズニーの
「夢と魔法と冒険の王国のファンタジー」
という本質価値は、
ひとつひとつの施設、サービス、ホスピタリティに現れてきます。

入場するときに感じ、
キャストの笑顔やアクティビティに感じ、
ビッグサンダーマウンテンに感じ、
エレクトリカルパレードで感じ、
商品ショップで感じます。

ひとつひとつがバラバラではなく、
すべてが本質価値という軸で貫かれているのですね。

それら「まるごと」を体験するために、
お客様はディズニーに何度も何度も訪れるのです。


もちろん商品やサービスだけでなく、
社員ひとりひとりが本質価値を体現しています。

社員に接するだけで幸せを感じ、
ますますその会社のファンになり取引し続けます。

社員としても、
自分たちのふるまいによろんでくれて
感謝してくれるお客様の姿をみて、
さらにモチベーションがあがります。

ますます能力を磨こうと思うわけです。

そんなサイクルが生まれる起点が、
本質価値なのです。

ディズニーはなんとリピート率97%という
強烈なファンによって支えられていますが、
それはあなたの会社でも同じことができるのです。

手法や制度も大切。
お金や福利厚生も大切。

でも、

「仏像つくって魂入れず」

のことわざのとおり、

そこに

「ひと=魂」

が入っていなければ、意味をなしません。

組織活性化や人材育成といい、業績向上といい、
それをになうのは「ひと」です。

本質価値は「ひと」の本源にせまり、
ひとの高次の欲求を引き出すキーなのです。

まとめ~本質価値は皆の心に火をつける

あなたの会社は、本質価値で変わります。

しかもその本質価値は、
どこからか仕入れてくるものではありません。

あなたやあなたの会社の歩んできた
歴史そのものに「すでにある」のです。

ぜひ見つめ直し、感じ直し、共有し直してみてください。

だれでも本当は「いい仕事」をしたいと思っているものです。

いい仕事とは、すなわち
究極の幸せを感じられる意味ある仕事。

あなたの会社は

「意味ある仕事」

で社員を幸せにする会社。

「社長、この会社に入れて本当に良かったです!」

そんな、信頼し合って、
皆がイキイキしている毎日を心から応援しています。

P.S.
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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