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人材育成/人材開発

ここを見よ。ダメ社員をあきらめない社員育成思考法

「充実して生きている社員」も「からっぽで生きている社員」も根っこは同じ。

どういうことでしょうか?

目次

なぜか自然に成長するスゴさ

春になりました。
新緑の季節です。

立春をすぎると寒さも少しずつゆるんできますね。
木々の枝の先には、もう小さな芽が本格的な春を
いまかいまかと準備中です。

これ、考えてみれば、
とてつもなくスゴイことだと思いませんか?

小さな子どもは、
しばらくみないうちにどんどん大きくなる。
気がついたら、ほうっておいても大人になっていく。

これ、とてつもなく不思議だと思いませんか?

言葉にすると
「スゴイ」や「不思議」など、
言葉にもならないようなものでしか表現できなくて
もどかしいのですが、奇跡としかいいようがありません。

別に、石ころのように、
ずっとそのままの姿でもいいわけです。
わざわざ「生長」したり「成長」したりしなくてもいい。

でも、なぜかはわからないけれども、
「生長」し「成長」するように、
わたしたちはできているわけです。

自己充足志向性

生きている、

ということは、
生長したり成長したりすることを
止められないということです。

とにもかくにも、
わたしたちは変化しない
鉱物のようなものではないわけです。

化学的には代謝を繰り返しながら、
つねに自分のいのちを変化させつつ維持し、
維持のためにまた変化(生長、成長)しているのです。

究極の理由は、
“神さま”でないとわかりません。

ですが、
わたしたちの中には、
とどまることなく成長しつづけようとする“ナニか”を
もっていることは間違いありません。

わたしたちが持つこのような
心身ともにみずからをよくしていこう、
よくしながら保っていこうという性質を
古代ギリシャではホルメーといいました。

「自己充足志向性」と訳したりもします。

心の面で言えば、
ユング心理学ならば
「自己(セルフ)」と
呼んだりしています。

「よい」のとらえ方は、
ひとによって異なりますが、
中身は異なっても、
「よい」をつねに求めていることだけは
みんな変わらないわけです。

善悪判断基準が自分を苦しめる

社員やスタッフなどを見ると、
イキイキしている人もいれば
やる気がなかったり、
現状維持でチャレンジしない人もいたり。
イライラすることだってありますよね。

それが重なると、
ついつい

「もともとあの人はできる人なのだ」
「もともとこの人はダメな人なのだ」

と、善悪判断してしまいます。

そして善悪判断基準をしてしまうことで、

「なんであいつはできないんだ。」
「なんでわたしをいつも悩ませるんだ」
「なんでこんな苦労しないといけないんだ。」

そんな風に苦しんでしまいます。

でもこれは、本当は
自分で善悪を作り出すことによって
自分で自分を苦しめてしまっているのですね。

その時期に必要な「よい」を求めているだけ

事実は、善悪などというものは、本来ありません。
どんな人でも、その人なりに「よい」を求めて
今日も生き、仕事をしています。

もしかしてその「よい」は、
いまは周りの人の「よい」とは違うのかもしれません。

だからある人のある基準から見れば
「あいつはダメなヤツだ」
に見えてしまって、
そのための摩擦や葛藤もあるでしょう。

たとえば、
反抗期の子供は、
たしかに手を煩わせますが、
決して本来ダメで悪い人間ではないですよね。

反抗期の子どもは、
悪い人間だから反抗しているのではなく、
その時期なりの「よい」を求めて反抗しているわけです。

ですので、その時期が過ぎると、
まるで憑き物が落ちたように落ち着きますよね。


反抗期に必要だった「よい」を乗り越え、
次の時期に必要となる新しい「よい」を
手に入れたからです。

「充実している人」だけでなく
「からっぽに生きている人」にも、
今のその人なりの「よい」があるから、
そうなっているわけです。

わたしたちが目を向けるべきは、
今の状態ではなく、
本来だれもが持っている
「よくなろうとする力」にこそあります。

ひとはつねに成長の現在進行形である

「よくなろうとする力」に目を向けると
可能性が見えてはこないでしょうか?

ホルメーには段階があります。

はじめは低次の「ホルメー=欲求」でも、
経験を重ねるにつれて次元が上がり、
「自己実現欲求」や
「他社貢献欲求」など
高次へと上がっていくものですし、
そうなるようにわたしたちはできています。

わたしたちができることは、
わたしたち自身が
「自己実現」や「他社貢献」などの
「よさ」を身をもって示すこと。

それによって社員たちの中にも、
「あっちの方がもっと『よい』なあ。
あっちに進みたい!」
と、内なるホルメーを呼び起こされるのです。

「こっちのほうがより『よい』」

と実感できれば、もう社員は勝手に
高次の段階へと成長していきます。

ひとはつねに成長の現在進行形です。

今だけを固定的に見るのではなく、
よくなろうとしているダイナミックな力を
見つめることで、
社員の未来の可能性を信じることができます。

わたしたちにできることは、
ただ、社員がその方向へ成長したくなるような
良さを示し続けることだけです。

簡単なことだとは言いませんが、
「よくなろうとする力」をだれもがもっていると
自分の中で決めると、今の状態に一喜一憂しなくなります。

あと少し肩の力を抜いて、
リラックスしましょう。

自分を信じてくれる人がいると、
社員はそれだけで、
信頼されている喜びと責任感で、
いまよりもよくなろうと成長するものです。

あなたの会社の社員は
本来成長する力をもっているのです。

P.S.
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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