社員に活気を与えつつ受注を増やす「本質価値」の力
中小企業は社員がトップ営業マンであることが多いのですが、やっぱり社員たちがみずから受注をつくり、売り上げを増やすようになると、雰囲気ががらりと変わるのですね。
目次
- ○ 社員が受注を増やす会社は活性化度合いが違う
- ○ 社員が受注増加するための大ポイント
- ○ もう「アメとムチ」式は頭から離しませんか?
- ○ 本質価値を共有、浸透するとは?
- ○ 中小企業こそ本質価値
- ・執筆者紹介
社員が受注を増やす会社は活性化度合いが違う
「社員が受注を増やす」ようになると、会社は一気に活気づきます。
中小企業は社員がトップ営業マンであることが多いのですが、やっぱり社員たちがみずから受注をつくり、売り上げを増やすようになると、雰囲気ががらりと変わるのですね。
なによりも社員たちの眼の輝きが違ってきます。
「自分たちはできるんだ!」
自分たちの工夫で、努力で、創造性でそれができたときのよろこびは社員たちのモチベーションや意欲を開花させます。
理念浸透といい、組織活性化といい、イキイキひとつになって業績も上げる会社というのは、社員一人一人が「自分が主役」と思えている会社のことをいいます。
社員が受注増加するための大ポイント
「受注を増やす」
には、さまざまな要素があります。
製品力もあるでしょうし、人間関係ももちろんあります。
そのうえで、
「社員が受注を増やす」
ために必要なこと、しかも
「イキイキしながら受注を増やす」
ために必要なことは、そもそも
「社員が受注を増やしたくなっているかどうか」
というポイントが非常に大切になります。
「受注を増やさなくてはならない」
という社員側からみた義務感や強制感ではなく、
「受注を増やしたくなる」
社員たちがワクワクして、またはフツフツとした思いがわいてやりたくなる。
そんなポイントです。
もう「アメとムチ」式は頭から離しませんか?
一般的にはそんなとき、売れば給料やボーナスが上がる、評価が上がる、のようなことで動機付けしようとします。
これを逆にいえば、できなかったら給料やボーナスを下げたり、評価を下げたりすることでもあります。
要は、アメとムチですね。
アメとムチはたしかにわかりやすいともいえ、またこの話をすると長くなるのですが(笑、
アメとムチというのは、要は、金と権限で釣ることですよね。
だから、金と権限で釣る、ことをメインですえてしまうと、それがなくなったときに一気にその社長や会社から社員の心は離れていきます。
経営陣と社員とのつながりや、「受注を増やす」というモチベーションが金と権限しかないからです。
とくに、思いをもった製品・サービスや、歴史のある会社をなんとかしたいと思ってらっしゃる方にとっては、この方針をとるのは致命的です。
これまで築き上げてきたことや思いが一気に失われてしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、わたしたちは「ひと」であるという原点につねに戻ることです。
わたしたちは、金と権限だけをもとめている本能的な存在、「ヒト」だけではありません。
それももちろんもちながら、でもやっぱり「意味ある人生をいきたい」「大きな意義あることに参加したい」と想い、ときに悩み、よろこぶ「ひと」です。
「ひと」が本当に動くときとは、その相手や製品・サービスに心からグッとくる意味や感動を感じたときです。
つまり「受注を増やしたくなるとき」とは、金や権限に関係なく、社長や会社や製品やサービスに意味や意義を感じ、それを受注という形にできる自分によろこびを感じたときなのです。
本質価値を共有、浸透するとは?
いったん会社を離れて想像してみてください。
子どもは好きなことやハマったものには、もう食事も忘れて熱中しますよね。
それがやりたくてやっている。
大人もそうですよね。
すなおに「スゴイ!」と感じた出来事や、「最高だ!」と思ったものにはどっぷりハマりますし、またその魅力を他の人にも知ってほしくなります。
この状態が、会社に、社員たちにあると受注を増やしたくなり、また実際に受注が増えていきます。
社員がお客様に紹介する言葉に自然に力がこもりますし、お客様からみてもその社員の言葉や姿勢や目の輝きをみて、あなたの会社や製品・サービスにより大きな価値を感じとる事ができるからです。
わたしは、それを「本質価値」の共有、と呼んでいます。
本質価値とは、いわゆるメリットやベネフィットもふくみつつ、その根底にある「ひと」としての価値を表しているような価値。
たとえば、丁寧につくられた製品にはよく「心がこもっている」と言いますが、その「心」そのものをさします。
その「心」こそが製品の本質なのですね。
たとえば、ぱっとみたところ「使いやすい」というメリットがあったとしましょう。
一見するとそれだけが価値のように思えてしまいます。
しかし本質的にある価値とは、「ここまで使いやすくしたいとおもって、実際に使いやすくしてきた」という「ひと」として価値なのです。
「苦労をかけたくない」
「もっとスムーズに仕事ができてワクワクしてもらいたい」
「あきらめていたひとに喜んでもらいたい」
それらのような、目には見えないけれども、価値を価値たらしめている「心」があります。
これこそが本質価値であり、その本質価値にふれたとき、ひとは意味を感じ感動で揺さぶられ、もっと人に教えたくなってきます。
社員たちは「本質価値」を自分のものと思っているから、お客様などに自信をもって、イキイキしてもっともっと伝えたり教えたくなるのですね。
ディズニーランドのキャストたちが素敵だなあと思うのは、ディズニーランドを愛している様子が心から伝わってくるんですね。
ディズニーランドがもっている、
「夢と冒険とファンタジーに心からワクワクしてもらいたい」
を、まんま自分のものとしているから、その行動にウソがありません。
キャストの姿を通して、ディズニーランドが大切にしている本質価値を見ているわけです。
中小企業こそ本質価値
中小企業こそ本質価値の共有、浸透を目指しましょう。
ひとりひとりの距離が近いからこそ、本質価値の共有や浸透は、会社の一体感や組織の活性化をうねりのように生んでいきます。
「社員が受注を増やす」なら「本質価値」。
そう思っていただいて、大きくOKなのです。
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執筆者紹介
オフィスオントロジー
代表 友成治由
人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家
10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。
哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。
経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など
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