社員の心離れてませんか?リーダー必須のメンタルコントロール術
「なかなか意見を言わない」
「報告が無い」
「自分から離れている」
と思ったら、社員に改善を求める前にちょっとストップ。
もしかしてそれはあなたの「機嫌」が原因かもしれません。
目次
- ○ 最悪のリーダー
- ・①社員の心を疲弊させる
- ・②冷静な判断ができなくなる
- ・③自分自身を小さくする
- ○ 人は気持ちのいい人に集まる
- ○ 機嫌のいい人になる原則とテクニック
- ・①怒りがわいたら6秒待つ
- ・②深呼吸する
- ・③いつも余裕をもつ
- ・④体を動かす
- ・⑤自然散策にいく
- ・⑥ほめる
- ・⑦相手に期待しない
- ・⑧感謝する
- ○ 「意識的に」メンタルコントロールしよう
- ・執筆者紹介
最悪のリーダー
社員の心をひとつにして、イキイキさせるためのリーダーシップ、というのが今日のテーマなのですが‥
ズバリ言えば、最悪のリーダーとは「いつも不機嫌な人」です。
どんなに個人的な能力が高くても「いつも不機嫌な人」には誰もついていかないからです。
「不機嫌」はその雰囲気だけで、周囲に毒をまき散らしています。
不機嫌には3つの毒があります。
①周囲の人の心を疲弊させる
②冷静な判断ができなくなる
③自分自身を小さくする
①社員の心を疲弊させる
何よりもこれです。
不機嫌なリーダーは、不機嫌というそれだけで社員の心を疲弊させてしまいます。
社員は余計な気を使わないといけません。自分が悪くなくても相手が不機嫌というだけで自分に罪悪感をもちます。相手の機嫌を悪くしないように、だけが目的となって本来のことに頭も心も傾けることができません。
不機嫌は、周囲の人の心を蝕み、もっとも疲弊させてしまうのです。
②冷静な判断ができなくなる
不機嫌であると、不機嫌なものの見方しかできなくなります。
不機嫌な目で物事を見ると、せっかく現れた可能性さえも見えなくなってしまいます。
不機嫌とは自分の注意が自分だけにしか向いていない状態。だから周りの物事が冷静に見えなくっているのです。
会社やチームを導くリーダーとしては非常に危ういです。
③自分自身を小さくする
不機嫌とは「自分が自分以外のものに振り回されている状態」です。
周りが悪い、環境が悪い、状況が悪い…などなど思い通りにならないことに振り回されている状態。それはひるがえっていえば、「自分がどっしりしていない」現れでもあります。
その状態に浸りきってしまうと、周囲の気持ちも、自分自身さえも小さくします。
「不機嫌」さは、わたしたちが思う以上に、あなたの周囲とあなた自身に悪影響を与えてしまっています。
人は気持ちのいい人に集まる
申し訳ありません。厳しめのところからはじめてしまいました。
人間ですから、ときには不機嫌になることもあります。
でも「不機嫌」が続くと自分では気づきづらくなりますから、「不機嫌は毒なんだよ」とだけ念頭に置いてもらえるとうれしいです。
逆に言えば、人間は「機嫌がいい人」が大好きなのです。
「機嫌がいい人」と接するとそれだけでほっと安心できますし、気持ちがいいですよね。
「機嫌がいい」というのは、何もしなくてもそれだけで、周りの社員をイキイキ、元気にしています。
「なかなか意見を言わない」のは言っても不機嫌だからかもしれません。
機嫌よく聞いてくれる人にだったら、どんどん言いたくなります。
もしそれが稚拙な意見だったとしても、機嫌よく受け止めた上で的確に指摘をしてあげたら、社員も気持ちよく反省し、ブラッシュアップしていきます。
「報告が無い」のは言っても不機嫌だからかもしれません。
組織のキモは「悪い報告から真っ先にできる」というコミュニケーションです。だから先回りして対策して、結果、中長期的にも安定的な発展ができます。
「悪い報告」は言う社員としてはバツが悪いものです。でもだからこそ、すくなくとも普通の機嫌で受け止める必要があります。それによって社員は「悪い報告」を、隠すことなく行うことができます。
「悪い報告をする」のは正論だからするではないのです。
「悪い報告をしてもいい」という“気持ち”にさせることが大切なのですね。
「自分から離れている」のは、まさに不機嫌だからですね。
機嫌がよく、気持ちのいい人の周りには必ず人は集まってきます。
もし「最近機嫌が悪いことが多いかな」と思ったら、意識的に機嫌がよくなることを探してみてくださいね。
機嫌のいい人になる原則とテクニック
まず、機嫌がいい人、気持ちのいい人になるための根本的な原則があります。
それは、
「機嫌がよくなること、気持ちのいいことだけに目を向ける」
です。
自分自身の心の姿勢や物事の見方、そのダイヤルをつねに「機嫌がよくなること、気持ちのいい」側に51%でもいいので傾けておきましょう。
これは、社員や環境や周りがどうだから、ではなく、“つねに”51%傾けておくと「決める」ことが大切です。自分自身の初期設定を51%機嫌がいい方法に固定しておくのですね。
電車が遅れても、51%。
「到着できれば、なんとかなるなあ」
社員の出来がわるくても、51%。
「でもこの社員はちゃんと会社に来ているなあ」
思わぬトラブルがあっても、51%。
「でも冷静になれば、対策はいろいろあるなあ」
最初から「決めて」おくことで、いつも自分を機嫌がいい側に保つことができます。
またそう「決めて」おくと、機嫌のいい側で考えることが習慣になって自然になります。
その原則の上で、いくつかさらにテクニックをご紹介します。
他にもいいテクニックはたくさんありますし、作れますので、ぜひ楽しみながら試してみてくださいね。
①怒りがわいたら6秒待つ
アンガーマネジメント(「怒り」という感情のマネジメント)によると、人間の怒りの持続時間は6秒間だそうです。
もし怒りがわいたり、ムッとすることがあったら、6秒間数えてまちましょう。
6秒間たったら心が落ち着いてきますので、それから考え反応しましょう。
「冷静になる6秒」、ですね。
②深呼吸する
不機嫌なときというのは、心がざわついているときです。
脳でいえば、脳波が波立っている状態です。
そして、呼吸が浅くなっている状態です。
深呼吸をゆっくり3回しましょう。
10秒で吐いて、5秒で吸う。
それくらいゆっくりした深呼吸を3回するだけで、脳波はずいぶん落ち着きます。
深呼吸を習慣にすると、次第に自然にご機嫌な自分になっていることに気づきます。
③いつも余裕をもつ
不機嫌な状態とは、余裕がない状態です。
いつも何かに追われているような切迫感を感じている状態です。
いつもより15分早く行動してみましょう。
経験上、5分だと短すぎます。ちょっと何かあればすぐに余裕がなくなりますので。
15分だったらちょっとあっても、余裕があります。
もちろん売上や収益、個人のお金の面でも、余裕をつくることを心がけましょう。
仕事のプロジェクトでもそうですね。
効率化というのは、ギリギリに切り詰めることではありません。
安全バッファーをいかに設けるかによって、心と体に余裕を持たせることで、最大限の効果を発揮することを言うのです。
④体を動かす
スポーツでも散歩でも、体を動かすことはとてもお勧めです。
体と心は緊密につながっていますので、体に汗をかくと心も余計な不機嫌さは消えていきます。体と心は別ものだ、なんて考えは、20世紀に一時期流行した古い科学的な迷信です。
体を整えると、心もご機嫌になります。
わたしの場合は、よく散歩します。
ウォーキングというほどでもなく、ただ心地のいい場所を散歩するだけ。
パソコン仕事でちょっと心が渋滞した時には、たった5分でも外に出て散歩します。
それくらいでもまったく変わってきますからおすすめです。
⑤自然散策にいく
自然の効能というのは計り知れません。
近くに山や川や海があれば、もちろん最高です。
本格的な自然が近くになくても、公園などの緑がある場所にいきましょう。
その場合のポイントは、「木々の葉のサラサラという音」に耳を傾けることです。
実は人が自然の中でリラックスできるのは、木々から出ている●●イオンのような物質的なものよりも、「サラサラという葉の音」の方が効果があるという研究もあるくらいです。
もちろん、波の音、川の流れる音もそうですね。
自然の音を聞きに行く。
そんな感覚で自然散策に行ってみましょう。
⑥ほめる
会社や普段の人間関係だったら、これですね。
相手がよろこぶことを探すというのは、相手も機嫌がよく気持ちよくなりますし、それができる自分も自然と機嫌がよく気持ちよくなります。
つねに「相手の良い側へ51%」。
社員でも取引先でも、友達でも家族でも。
「相手の良いところ」の割合を多くするだけで、劇的に人間関係は変わります。
⑦相手に期待しない
ちょっと難しい概念ですが、人間関係で機嫌のいい人が、なぜいつも機嫌よくいられるのかの答えがこれです。
相手に期待する、というのは、相手を自分の思い通りにする、という気持ちなのですね。
ですので、思い通りにならなかったら、当然不満や怒りがわいてきます。
社員や部下に対して機嫌が悪くなるのは、これです。
相手に期待しない、とは、そもそも人は自分の思い通りにならないものだ、という前提に立つことです。思い通りにならなかったとしてもそれが普通、という感覚です。
だから、どうするか。
だから、「自分自身に期待する」のですね。
もし相手が思い通りにならなかったとしたら、自分がどうにかすると決めている。自分はそれでも変わらないと「決めて」いるわけです。
相手はどうであれ、自分がどうする、と思えていれば相手に振り回されることはなくなります。
相手に期待しない、とは、自分はいつも自分である、という姿勢なのです。
⑧感謝する
「感謝は最強の心の状態」とよく言われます。
あまりにも言われすぎているのですが、やっぱり最も大切だと、わたし自身もなんども痛い経験を重ねてそう思います。
あえてあげるならば、ここでもポイントは、つねに「感謝の側へ51%」です。
つねに感謝することを探すと「決めて」おくのですね。
社員は来てくれるだけでありがたい。
社員が自分の代わりに業務をしてくれるだけでありがたい。
社員は笑顔を見せただけでありがたい。
社員がちょっと成長しただけでありがたい。
社員がいるほどの会社になれただけでありがたい。
…
感謝できた自分に気づくこと、まず自分自身が気持ちよくなります。
またその感謝の気持ちが社員に伝わって、社員はイキイキしていきます。
小さな感謝、あなたがふと思えるそんな小さな感謝の側へ51%。
わたしもあなたと一緒に、日々やってまいりますね。
「意識的に」メンタルコントロールしよう
大切なのは、自分の感情に意識的になる、ということです。
現代においてはメンタルコントロールは現代のリーダーの必須修得事項です。
ストレスを抱える社員が多い、変化が激しい時代、●●ハラスメントなど、現代になってより顕著になる問題があります。
自分の感情の動きを、なすがままにまかせず、意識的に機嫌がいい方に傾けていく。
それにより、メンタルをいい状態で保つことで、社員や会社をしっかりと導いていくことが求められています。
そして、何よりも、
「やっぱり機嫌がいい方が、自分も周りの人もみんな気持ちいい!」
これが一番ですね。
気持ちよく、笑顔で、イキイキとはたらく。
会社のみんながそんな毎日だったら、これほど幸せなことって、他にいくつあるでしょうか
? と、わたしならば思うわけです。
あなたの会社も毎日そうであることを心から応援しています。
P.S
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執筆者紹介
オフィスオントロジー
代表 友成治由
人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家
10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。
哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。
経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など
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