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価値力/提案力

体験談。お客様の心をつかむ価値のこんな生み出し方。

ある朝、Mカフェに行くと、なぜかとても心地いいことに気づきました。

コーヒーとちょっとした軽食のあるカフェは近所にもいくつかありますが、いつの間にかそのお店ばかりにいくようになっていたのです。

Mカフェの「選ばれる価値」は何だったか?

いまからできる、あなたの会社がお客様に独自に選ばれるようになるヒントかもしれません。

目次

「どのお店でも同じ」そう思っていましたが…

300円、400円を払ってコーヒー-わたしはいつもブラックです-を受け取り、席について本やノートパソコンを広げる。いつもの日常。近所にいくつかカフェはありますが、どの店員さんも丁寧で、卒なく接客をしてくれて、気になることもありません。

あなたも経験しているように、たいていのお店はきちんとしたサービスや接客があり、とくに不満もありません。「コーヒーが飲めて、席が空いていたらいい。」それくらいの感覚でした。特別なことを期待をしているわけでもありません。

ところが、ある日ふとMカフェに入ろうとしたときに、気づいてしまったのです。

「いつのまにか、Mカフェに来ることが多くなっている…」

自分でも不思議に思いながら、いつものコーヒーとドーナツと、そしてお冷を頼みました。
そして財布から小銭を出しながら、トレーに商品を載せているのをぼんやり見ていたそのとき、あることに気づいたのです。

小さな行動で最上のおもてなしを実現していた!

「あ、カップのロゴがこちらを向いている…」

コーヒーカップとお冷が入ったコップはMカフェオリジナルのロゴ付きなのですが、その両方ともロゴがわたしの方に向かって、きれいにそろえて正面向いて置かれていたのです。
いつもならばそんなことを気にかけなかったかもしれません。

気づいたのは、実は、店員さんがトレーにコーヒーカップとお冷のコップを置いたあとに、わざわざロゴの向きをもう一度確認して、きれいに丁寧にそろえ直していたからなのでした。

店員さんは、“わざわざ”そろえて、提供していたのです!

わたしはびっくりしました。
たかだか数百円の街カフェではありますが、まるでホテルラウンジで上顧客のようにもてなされているような感覚になったのです。

わたしはそれから他のカフェでも気にして商品提供の様子を見ていたのですが、商品をトレーに乗せるときにロゴの向きを丁寧にそろえて出しているカフェは他にはありませんでした。

Mカフェのその店員さんは「きれいにそろえる方がお客様にとって心地よい」と意識して、そろえて提供していたのです。

「ただの客」が「ファン」になった理由

それからMカフェに行く回数が増えたことは言うまでもありません。

ふつうのぶらり客だったわたしは、ファンになりました。
わたしだけではないでしょう。その何気ない心づかいに心地よさを感じて、Mカフェを選ぶお客は増えたことでしょう。

ありていにいえばリピーターになりお金を落とす回数も増えたと言えます。
ただ、Mカフェにいくわたしからいえば、ほんのちょっとした一瞬で「どこよりも心地いい時間」を味わいに行っており、Mカフェがあることがありがたく感じています。

他カフェでも、一般的に丁寧な接客をしています。コーヒーの質だっておいしい。
でも、もしかしてお客様への思いだけは、Mカフェの方がより深く考えているのかもしれません。
店員さんの、「お客さまはこのほうが気持ちいい」という気持ちが、ロゴをきれいにそろえるという形になって現れていて、わたしはそれを味わいに行っているのですから。

そしてお客にとって、もし、その気持ちがMカフェからなくなったとしたら、「他とおんなじ」のカフェになってしまい、独自の存在感を失ってしまうのです。

わたしたちは、「そこにしかない価値」でよろこぶ体験や、驚く体験をしたときに、その会社のファンになります。まっさきに、そして何度も選ぶようになります。

その価値は、表に現れていることはささいなことかもしれません。
「ロゴをきれいにそろえる」なんてことは、やろうと思えばだれでもできます。しかしそれは、「ロゴをきれいにそろえる」ことが価値だとわからなければ、気づけないのです。

そしてそれが価値だと気づけるのはなぜか?

「カフェにくるお客様の幸せとは何か?」を普段から考えているからなのですね。

Mカフェにとっては、カフェとはこういうものだ、カフェに来てくださるお客様の幸せとはこういうものだ、わたしたちはそのためにいるのだ、そんなMカフェの「本質」をおりにふれて考え、また、教育しているのでしょう。

ここでいう本質とはなにか。
それは「なくてはならない大切な価値」であり、それを失ったらMカフェがMカフェでなくなる「たましい」のようなものです。

社員が誇りをもつ会社になるためには?

企業は価値があるからこそ成り立っています。
BtoCでもBtoBでも、同じです。

なかでも「なくてはならない大切な価値=本質価値」が企業の核です。
これにいち早く気づく会社が、独自の存在感で高く、長く支持されます。本質価値を意識し、磨けばみがくほど、表に現れ、お客さまは「ここにしかない価値」を感じ、熱烈なファンになるのですね。

本質価値は、Mカフェの「店員さん」が表していたように、社員やスタッフと共有することで、会社全体がひとつになることができます。経営者と社員・スタッフの意識軸がひとつになって、お客様にとっても社員にとっても最良の関係をつくることができます。

本質価値は、もっともお客様や社会に喜ばれる核。
だから、それを大切にしている経営者、会社のもとでその実現のために仕事をするのは社員にとって誇りにもなります。自分の子供も入社させたい会社になるわけですね。

本質価値に気づく3つの質問

ではどうやったらその「本質価値」を自分たちにも持てるのか?

実のところをいえば、持つというよりも「気づく」ものなのです。
すでに、それは持っています。

そのためには、すなおに、オープンに、自分たちやお客を見つめていけば、必ず気づきます。
できれば経営陣だけでなく、現場で働く社員やスタッフも一緒に掘り出していくことで、よりイキイキと見つかっていくでしょう。

たとえば、こういう質問をして社内で考えてみるといいでしょう・

「お客にとって、わたしたちと付き合うとはどういうことか?」
「わたしたちになくてはならないものは何か?」
「わたしたちの心にふつふつとわいてくるものは何か?」

まとめ~本質価値は会社を変える

多くは必要ありません。
ひとつがわかれば、あらゆる多くのことが変わりません。
そのひとつがあるから、すべてが表に形となって現れてきます。

本質価値は、会社を変えます。組織や人を変えます。

がんばっている中小企業経営者が、本質価値という宝に気づけば、こんなに爆発力のあるものはありません。

経営陣と社員がひとつになって業績向上、本質価値で実現していきませんか?

P.S.
上記の3つの質問、ぜひ取り組んでみてくださいね。
本当に強力な質問です。

P.P.S.
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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