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人材育成/人材開発

誤解蔓延。仕事の創造性は天才社員だけのものか?

「創造性」に関しては、世間には誤解があると感じます。

創造性を発揮するためには、

この誤解を解くことから始めないといけません。

目次

創造性を身につけたい!

レオナルド・ダ・ビンチやピカソや、
ウォルト・ディズニーやスティーブ・ジョブズには憧れますよね。

日本でも、
本田宗一郎氏や井深勝氏など伝説的な方たちはもちろん、
実にたくさんの創造性豊かな方や会社があります。

有名ではなかったとしても、
身の回りには「よくこういったことを考えたなあ」という
工夫や発想の驚きに満ちていますし、こういった有名無名の
たくさんの創造性によって社会は発展しています。

創造性がある人になりたい。
創造性を身につけさせたい。

そう願う会社はますます多くなっていますし、
幼児教育の世界でも“創造性”は、
身につけてほしい能力の上位を占めています。

でも創造性はどうやったら身につくのでしょうか?
創造性は、天才だけのものなのでしょうか?

創造性に関する大いなる誤解

創造性を考えるために、
ぜひ理解しておいてほしいことがあります。

一般的に、創造性とは、
天才的なひらめきのように思われがちです。

特殊な発想をもって、
天の世界からインスピレーションが降りてくる。
そんなイメージをしませんか?

ピカソの絵を見ると、まるで異世界の人のよう。
スティーブ・ジョブズも、まさに天才!と言いたくなります。

しかし、たとえば、
ピカソの若いころの絵を
見たことがありますでしょうか?

むちゃくちゃ、リアリズムです。

対象をじっくり観察し、
まるで写真のように、
対象そのままを描く苦心にあふれています。

スティーブ・ジョブズもそうでした。
さまざまな経験を積み重ねる中で、
ひとつひとつがつながっていった。

彼は、「点と点を結ぶ」と言っています。

ゼロから生まれたのではなく、
経験したことを結ぶことによって
新しい意味をもったものが生まれてきた。

そのように、
スタンフォード大学卒業生向けの
講演で話しています。

つまり、

「創造性」とは特別な思いつきではない、

ということなのですね。

子どもは“創造的”なのか?

わたしは子供が好きですし、
子どもの発想はすばらしいなあと思いますが、
それだけでは創造性とは言えないと思っています。

子どもの発想のすばらしさは、
「何もない」ことから来ています。

まっしろなキャンバスにありのままに、
感じたままに表現される驚きにあふれています。

だから子どもの発想に驚くのは、
それだけ大人の私たちが、
いつのまにか特定の枠にはまり込んでいることに
気づく驚きでもあります。
枠が無い純粋さへの驚きと言えばいいでしょうか。

しかし「創造性」はそうではありません。
創造性は、真逆とも言えます。

創造性はその対象にどっぷり入りこんで、
対象の奥の奥まで観察し、考え抜き、
深く理解するところから生まれてくるものです。

創造性は経験への情熱から生まれる

ピカソは、
「対象を描くとはどういうことなのか?」
を考え抜きました。

ピカソはどっぷりと対象を描くことに
没頭していき、その真実を探求したのです。

わたしたちは目の向く方向でないと
ものを見ることができません。

でも、目の前の対象は、
自分から見えている方向だけが
真実ではありませんよね。
わたしたちは、
つねに一面しか見えていないわけです。

でも対象は、横にも、逆にも、すべての方向に姿があります。
ならばすべての方面が同時に見えてこそ、
対象を本当に描いたと言えるのではないか?
そのように考え抜いたのです。

あの独特の絵柄は、

「正面から、横から、後ろから、
いろんな方向から同時に見える姿」

を描こうとしたものです。

結果として、これまでどこにもない
「創造性にあふれた絵」ができたのでした。

スティーブ・ジョブズは、
自分の人生とは何かを追い求めて
生きたといっても過言ではありません。

座禅を日常の習慣にしていたほどで、
自分にとっての真実を追い求めていました。

自分の納得し尽くすまで考え、
理解し、追いもとめたのが、
i-phoneなど、一連の革新の製品群です。

創造性とは、
ゼロではなく、今ある枠を理解し尽くす情熱。
枠の無さではなく、今ある枠を解体する視点の中に
その情熱の中に生まれてくるものなのです。

まとめ~創造性を発揮できるようになるための取り組み

ならば、わたしたちも、
今から取り組むことができます。

もし「創造性」を身につけたい、
発揮させたいと思うのならば、
今やっていることや、やってみたいこと、
自分自身やお客様を徹底的に“愛する”ことから
始めてはいかがでしょうか?

“愛する”とは、
奥の奥まで理解しようとすること。

たとえば、今の仕事が、
もしこなすだけのものになっているならば、

会社や社員全体で考えてみましょう。

・この仕事で本当に大切なことは一体何なのだろうか?
・この仕事は本当はどんな喜びをお客様に与えているのだろうか?
・この仕事にしかできないことは何なのだろうか?
・わたしたちは、どうしてこの仕事をやっているのだろうか?
・わたしたちの会社は本当は何をするところなのだろうか?

こんな風に、
自分たちの仕事や会社をあらためて観察し、
見つめ尽くします。

あらゆる面から考え、
いままであたりまえだと思っていた
枠に気づき、解体し、
あらたな意味へと編み上げていきます。

仕事はこなすためにあるのではなく、
愛するためにあります。

これまでの経験すべてを愛したところに
創造性は生まれてくるのです。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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