使える仕事術!素早く集中力ゾーンに入る5つの方法
頭も使うし、うんうんうなりながら手を動かすような仕事は、わかっちゃいるけど気が進まないときってありますよね。
そんなときに利く、早く集中力が出て仕事が進むようになるパフォーマンスアップ仕事術をご紹介します。
目次
- ○ 集中力ゾーンに入る前が問題
- ○ フローが起こる状態、起こらない状態
- ○ もっともつらいのは「頭を使う」こと
- ○ フローが起こりやすい状態への5つの仕事術
- ・①目的をはっきりさせる
- ・②最終ゴールをはっきりさせる
- ・③柔軟になる(完璧主義はやめる)
- ・④中間目標(ゴール)をつくる
- ・⑤できそうなところまで分解する
- ・他にもある集中力ハック
- ・まとめ~仕事が進むと幸せだ!
- ・執筆者紹介
集中力ゾーンに入る前が問題
頭も手も使うような仕事は、はじめるまでにエネルギーを使うものです。
はじめてしばらくたってしまえば、勢いがついていつのまにか集中もしますが、集中に入るまでがなかなかしんどい。
それでも締め切り直前なら無理やりでも動きますが、締め切りがもう少し先だったり、とくに締め切りがないような仕事は、重要だけれども後に回しがちです。
「重要な仕事をバンバン先に先に進められばなあ、生産性も大きいのに…」
そんな風に思っているビジネスマンは、かなり多いものです。
かくいうわたしも、そのひとり。
集中力ゾーンに入れば一気ですが、それまでが毎回工夫のしどころです。
わたし自身の日々の課題でもあり、また他の仲間やクライアントからも相談されることもあり、パフォーマンスアップ系については、自分も他人も観察しながら、他にも研究を続けています。
今回は集中力ゾーンに早く入れるそんなパフォーマンスアップ術を見ていきましょう。
フローが起こる状態、起こらない状態
そもそもわたしたちは、どんな仕事だとすぐに集中できて、どのような仕事になるととたんにエネルギー発揮が面倒くさくなるのでしょうか?
集中している状態を思い出してみてください。
頭がはたらき、手がどんどん進んでいます。
エネルギーはつかっていますが、締め切りや、資料の最終ページにむかって「あそこまでだ。頑張ろう」と気合がはいります。
仕事の目的もゴールも明確で、課題も明確であり、自分がやっていることに迷いがありません。
こんな状態ではないでしょうか?
いわゆるフローに入っているという状態で、心理学者のチクセントミハイによると、ゴールや中間目標が明確で、方法論も明確、やればできる程度に挑戦しがいがあって、やったら明確なフィードバックがかえってくるタスクはフローにはいりやすいといいます。
スポーツやゲームなどは典型的な「フローを生み出しやすい行動」です。
仕事であっても、
「明日が資料提出日だ。今日中に、これとあの資料を仕上げよう。」
なんてときは、嫌でも集中し、フローにはいります。
わたしは新人時代に2年ほどシステムエンジニアでありプログラミングもしていましたが、完成形がわかる作業であるプログラミングも、フロー状態にはいりやすいと感じます。
チクセントミハイによると、フロー状態とは「意識が最適化され秩序だっている状態」です。
いいかえれば、「何に向かって、何をやっているのかが、つねに明確にわかっている状態」ですね。
このような仕事のときは自然と集中力を発揮し、パフォーマンスも上がります。
ここからわかるのは、逆に、どうにもエネルギーが必要でとたんに面倒くささを感じる仕事とは、フローが起こりづらい状態になっていることです。
たとえば、
・目的がはっきりしない
・最終ゴールがはっきりしない。つまり、何をやれば終わりなのかがよくわからない
・本当にこの内容やこのやり方でいいのかわからない
・中間目標もわからず、うまく進んでいる実感がない
・やっても失敗しそう、困難そう
このような仕事は、無理やり意識を最適化するにはエネルギーを使いすぎます。
脳が自動的に「これは大変だ」と判断してしまうのですね。
もっともつらいのは「頭を使う」こと
そして振り返ってみると意外にこのような仕事は多いことに気づきます。
たとえば、このブログ。
もっともつらいのは、「何を書こうかわからないとき」です。
どんな内容なら喜んでくれるか、どんな内容なら役に立つか、気を惹くテーマはなにか。
それがわからないときには、パソコンを目の前にしてもぼーっとして手が進みません。
企画を考えたり、新しい提案の資料作成するときもそうですよね。
本当にこんな企画でいいのかなあ。もっとないかなあ。別に新しいことやらなくてもしばらく大丈夫だしなあ。せっかく作成しても失敗したらムダになりそうで嫌だなあ。
ぐるぐると頭の中をめぐってしまいます。
システムエンジニアの場合ならば上流の、要件定義や設計などです。答えがあるわけではなく、どんな機能がいいのか、構造がいいのか。頭をひねりながら考え、暗中模索の中進むのは、どっと疲れが出るものです。
「人間にとってもっともつらいのは“考えること”である」
とも言われますが、もっともカロリーを消費する臓器がまさに「脳」なのです。
「脳」に負荷のかかりそうになるととたんに面倒くささや、後回し感を感じるようにできているのが人間なのです。
とはいっても脳を使う仕事こそがもっとも生産性が高いのも事実。
わたしたちは、「生産性をつかむ」と「脳のエネルギー消費」のはざまにいるのですね。
フローが起こりやすい状態への5つの仕事術
さて、とすると、より早く集中状態に入れてパフォーマンスを上げるには、「フローが起こりやすい状態」にもっていけばいいということになります。
ポイントは、できる限り「意識を最適化して秩序だつ」ようにもっていくこと。
もっといえば、「脳が迷わない、わかる」ようにもっていくことです。
①目的をはっきりさせる
目的がわからないと、何のためにやるのか、迷いが出てしまいます。
明確にならないうちにとりかかると、いつまでも目的のあいまいさが頭の片隅にこびりついてもやもや状態で、いつのまにかエネルギーを浪費してしまいます。
ものごとを始める前には、何のためにやるかを明確にしましょう。
目的がはっきりするとモチベーションもわいてきます。
②最終ゴールをはっきりさせる
どの状態になれば「終わり」であるかを明確にしましょう。
終わりのない作業ほどつらいものはありません。
「終わり」という締め切りがあるからこそ、そこに向かって集中力を発揮し、エネルギーを使うことができるのです。
具体的には、
・はじめにやるべき作業を全部洗いだす
・成果物の種類を明確にする
・締め切りをつくる
などが有効です。
③柔軟になる(完璧主義はやめる)
本当にこの内容やこのやり方でいいのかわからないのは、迷いますよね。
うんうん唸ってエネルギーを浪費しているのに、いいアイデアや方法が浮かばないときほどストレスのたまるものもありません。
とくに新しい企画や、新しいプロジェクトに挑戦するときは、何がいいのかわからなくてイライラもつのるものです。
もう覚悟を決めましょう。
完璧でなくても構わない。まずはラフでいいからやってみる。間違ったらすぐ修正する。
この裏には「間違えたくない」「失敗したくない」という思いがあります。
ただ実際、世の中に完ぺきな方法はありませんし、トライ&エラーなんですよね。
せいぜい「他の方法よりはうまくいった」しかありません。
だから最初から100点を狙うと、もう何もできなくなります。
だから試行錯誤しつづけるんだ、という覚悟ですね。
完璧主義をやめるという覚悟です。
べつの言い方をすれば、
「間違ってもいいじゃん」「失敗してもいいじゃん」「やり直せばいいじゃん」
と脳に許可を与えるということです。
脳はわからなさや迷いがあると機能停止するのであって、「試行錯誤してもいい」という明確な方針を許可すると、そちらに向かって動き出すものです。
まずは、楽に、リラックスしてとりかかりましょう。
具体的には、
・間違ってもいいから、何かできるところからやってみる
・とりあえずちょっとずつ全部に手をつけてみる
・失敗してもいいから、ひとつに決めてやってみる
などが有効です。
④中間目標(ゴール)をつくる
最終ゴールと同時に、中間ゴール(目標)もつくっておきましょう。
マラソンでいえば、最終ゴールが42.195キロメートル先のテープだとしたら、中間目標は、5キロ、10キロなどの給水所みたいなものです。
中間目標は、勝手に自由に設定すれば大丈夫です。東京都マラソンだったら「3キロ先に皇居が見える、10キロ走ると国会議事堂が見える、20キロ走ると東京タワーだ。」のような感じです。
要は「自分がどこまで進んでいるかポイントごとにわかる」状態であれば大丈夫です。
「進んでいるという感覚」をつかむという意味ですね。
壮大な目標や大きなプロジェクトは頂上がかすんでいて、そこに至るまでどうすればいいのか見えなくなり、わからなくなり、それで意欲も集中力もそがれます。
でもぼんやり大きいものも細かくわけていけば正体がはっきりします。
最終ゴールまでの道を細かく分けて、自分が進んでいることがわかるようにしていきましょう。
具体的には、
・TODOリスト化や、チェックリスト化する
・一気にやらずに「〇〇時間だけやる」「これだけやる」と決める
などが有効です。
⑤できそうなところまで分解する
新しい企画や大きなプロジェクトは、ぱっとみてそもそもできそうになく見えます。どうせやってもまるごと大失敗しそう。手の施しようがない。
これも、まるっとぼんやり大きくとらえることからきているものです。
正体がわからないから、わからなさや迷いが出て、脳にへんなエネルギーを使って尻ごんでしまうというわけです。
これは
「できそうなレベルにまで細かくする」
が効果的です。
身近な例でいえば、このブログ。
意外に文字のボリュームが多く、「ブログを書くぞ」とまるっと大きく考えるとしんどいときがあります。
だからわたしはそんなときは、「ブログを書く」という全体を、かなり細かくできるレベルにまで分解します。
たとえば、こんな感じです。
「ブログを書こうかなと思おう」-「テーマを考えようと思おう」-「とりあえずボーと周囲を見渡そう」
どうですか?
「テーマを決めよう」ではないんですよ。
「テーマを考えようかな、と思うようにしよう」というレベルです。
この時点ではテーマを考えてもいないし、浮かんでもいません。
これくらいだったら、できますよね。
そうして、なんとなくテーマのことに思いを向けて、ぼーっと見渡しているうちに、ピンとくる言葉や出来事を思い出してきます。
そうしてはじめて
「大きなテーマを決めよう」-「大きなテーマをもう少し具体的にしよう」―「とりあえずラフでテーマにタイトル名をつけてみよう」-「パソコンを立ち上げよう」―「ワードファイルを開こう」―「仮のタイトルをつけてみよう」
ここまできてようやく、ブログ執筆用のワードファイルに何かの文字が打ち込まれるのです。
冗談抜きで、実際どうしてもしんどいときは、これくらいにまでちょっとずつできるレベル考えてブログに取りかかっています。「とりあえず午前中は、「パソコンを立ち上げよう」まで行くか」というレベルです。
でも、できている感や進んでいる感がありますので、次第に勢いがつきます。そうするともうこっちのもの。いつのまにか一気にブログ完了まで走り切っているわけです。
「できそうなレベルにまで細かくする」
そうするとどんな壮大なものもまったくできないことなんて無いし、ちょっとだけチャレンジすればできることがたくさんあることに気づきます。
一歩どころか、足の小指を動かすことからはじめればOK。
勢いづいたら、あとはもう一気に行きます。
車輪を転がすのも最初が一番エネルギーを使いますが、転がってしまえば勝手にどんどん転がっていくのです。わたしたちが注意すべきは、最初をいかにやりやすくするかだけです。
他にもある集中力ハック
いかがですか?
「脳が迷わない、わかる」ようにもっていくことを方針にすれば、他にもいろんな工夫ができそうですよね。
他にもいくつかより身近なで日常でつかえる「集中力ハック」をご紹介しましょう。
・「15分だけ」やってみる。(15分やったら、勢いがつくため)
・頭を使うことは朝にやり、体を使うことは午後にやる
・調子のいいときは頭をつかい、調子のわるいときは体をつかう
・よく寝たときは頭をつかい、寝不足のときは体をつかう。
・寝不足のときは、寝る。
・毎朝、簡単なToDoリストをつくってからとりかかる
・朝起きたらできるように、明日使うものは前の日に用意しておく
・仕事道具はいつも快適にしておく(仕事道具でストレスをためない)
・仕事をどんどんシンプルにして、やらなくていいことを決める
・頭を使う作業中は、スマホはオフ。または音も鳴らさずマナーモードにもしない。
・タイマーをつかう
上記の「タイマーを使う」はわたしはやることは少ないですが、それ以外は日常的にやっています。タイマーも非常に有効な方法のひとつで、重宝されている方も多いです。
まとめ~仕事が進むと幸せだ!
いろいろな工夫がありそうですが、まとめるとすれば、
何よりも
「目的と最終ゴール」
これが先決ですね。
そのうえで、
「やることを細かくして迷わないようにしつつ、進んでいる感が得られるようにする」。
集中力ゾーンに入る工夫とは、すなわち、車輪をいかに楽に転がすかにあります。
「勢いづかせるところまでが勝負!」
キャッチフレーズにしましょう。
わたしは仕事にワクワクして、サクサクと進むときは、こんなに人生って楽しいんだって思ってしまうほどです。
でもときには今日の話のように、アイデアが浮かばず突破口もわからずしんどいときもありますし、単に面倒くさいこともあります。
あなたもきっと同じではないですか?
そんなときには今日のテーマを思い出してみてくださいね。
気持ちよく仕事をして、充実感や達成感を味わって、夜は乾杯!
幸せな人生だなあ、と心から思います。
P.S
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。
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執筆者紹介
オフィスオントロジー
代表 友成治由
人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家
10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。
哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。
経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など
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