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HOME//ブログ//やはりこれ。目を見張る社員育成の条件「問題意識」。

人材育成/人材開発

やはりこれ。目を見張る社員育成の条件「問題意識」。

人材育成をするならば、ただ知識やスキルを教えるだけではなく、在り方を教えるだけではなく、「教えられるから、自分で考える」へもっていきたいものです。

大学生へのプレゼンアドバイスから考えさせられた、「伸びる人」「そうでない人」の違い。

今回は、人材育成の場面ではぜひ社員に備えつけてほしい、ある意識について考えていきましょう。

目次

成長する人材と成長しない人材には違いがあった

大学生のキャリアデザインのプレゼン授業で
外部講師として登壇することもあります。
プレゼンの内容は業界研究。

近い将来就職するであろう学生たちが、
ある興味ある業界を研究してプレゼンすることで、
社会や企業への見方や考え方を養うための授業です。

わたしの役割は、学生とは別の視点ですとか、
深堀りしたほうがいいところなどをアドバイスすること。
熱心に学んでくれる姿は、気持ちいいものですね。

さてそんなアドバイスの中に、
よくわたしがする「あるアドバイス」があります。

このアドバイスは学生たちだけではなく、
社会人にもそのまんま通じるアドバイスであり、

「すごく伸びる社員」
「どんどん成長する会社の社員」
「自分で考えて成果をつくる社員」

には、
ある意識があふれているとつねづね感じます。

学生たちはよく調べてくれています。
業界の市場動向や、企業同士の比較や、その企業の狙い、特徴など、
わたしがみても勉強になることばかり。

その上で少しでも“尖ろう”としているところが、
若さのエネルギーですね。日本の未来は頼もしいです。

と、そんなプレゼンを見終わった後ですが、
こう感じることが多いのです。

「あれ、、、結局なにが言いたかったの?」

もちろんプレゼンの作り方は学んでおり、
たとえば序論―本論―結論という組み立てがあって、
結論も述べています。

でも全体として、印象に残らず、よくつかめない。

その程度がひどい学生グループは、
たとえ一見きれいにできていても
情熱さえ感じとれなくなってしまいます。

逆に、粗削りで、組み立てもゴテゴテしていても、

「なるほど、よくわかった!」

といえるグループのあるのですね。

「ある意識」をもっているかどうかで、
その後の成長度合いがひしひし感じられます。

人を育てる問題意識

この違いを生む意識、それが

「問題意識」

です。

調べようとしているものに対して、
どんな問題意識を、どれだけ強くもっているか。

もちろん、どのプレゼンにも
「●●業界の問題」のような項目は必ずあります。

でも、学生にはよく伝えるのですが、
どんな業界にもかならず問題がある。
その事実を挙げるだけならば、
ネットや本をみれば誰でもできる。

ではなく、そのうえで、
「あなたはその問題に、どんな意識を持っているのか?」
が大切だということです。

いいかえれば、あなた自身が、
問題をどうとらえ、何を解決したいと思っているのか?
だから、何々を調べました、と言えるのか?

それが問題意識です。
問題に意識まで加わって1セットなのですね。

「顧客満足度が低いことが問題だ。」

それをどうにかすることが仕事だとしたら、
問題意識のない人は、顧客満足度が上がることだけを考えます。

「アンケートによると、値段が高いことを不満に思っていた。
だから、値段を下げるべきだ」

そんな安直な解決策が出てきたりします。

しかし、問題意識がある人はそうではあありません。

・顧客にとって、わたしたちの会社で得る本当の満足ってなんだろうか?
・低いことによって、本当は何が問題なのか?
・値段が低いから不満なのか?
ほかへの不満が値段をはけ口にして出ているのか?

問題に対して、より本質的に迫ろうとします。

率直に言えば、
「本質的に迫る」
というのはとてもエネルギーのいることです。

そもそも「本質的」ってどういうことかわかりませんし、
なにをもって「本質に迫れたか」どうかもわかりません。

だから、問題意識を持っている人は、
仮に顧客満足度が上がったとしても、考え続けます。

「本当は、どうなんだろうか?」

と。

問題意識をもつ、というのは、だから、
多くの学生にとっては抽象的で高度な問いかけだとも思います。

でも、それを持てるかどうかで
自立的で本質的な人材に育つかどうかが決まるといっても
過言ではありません。

「問題意識」は意識して機会をつくることでできる

とはいえ、
「問題意識をもつ」ということ自体を
どこかで意識する機会がなければ、
一歩でも二歩でも深めてみようということも訪れません。

社会やビジネスでは、問題解決、というと、
解決のほうに力点が置かれがちです。

しかし真に社会問題を解決したり、
ビジネスを発展させたりしている人は、
必ず、と断言していいほど、
その「問題意識」こそがエネルギーの源泉であり、深いです。

わたしたちに深く突き刺さるのは、
結論や解決法の種類よりも、「問題意識」なのですね。

「問題意識」が深いからこそ、そこから導き出されたものは、
今後も社会のさまざまなものに応用されていきます。

「まさかここまで、意識してやっているのか!」
そんな情熱や感動まで与えてくれます。

問題意識は、問題を考える時間が育てるものです。

問題に突き当たった時、いきなり解決法にとびつく前に、
問題を考える問いかけを行い、考える時間をつくりましょう。

その問題をとらえている意識自体を問いかけ、
考える時間をつくりましょう。

「問題意識」は人の思考力、洞察力、想像力、創造力と
いったあらゆる能力をフル動員させます。

これからの社員を育成するためにも、
「問題意識」という原点に戻りませんか?

問題意識をつくる意識が、
これからの人材育成には必要です。

追伸の追伸~インプットも問題意識で効果が変わる

ちなみに、わたしは読書をするときは、
その本の序文や第1章あたり、
その「問題意識」の箇所を丁寧に読み込みます。

それに対する理解や共感ができると、
一挙に本全体への理解も深まります。

慣れると本の取捨選択や速読にもなりますので、お勧めです。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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