Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//迷い打破。臨床心理学的問題解決法「フォーカシング」

問題解決法

迷い打破。臨床心理学的問題解決法「フォーカシング」

問題に直面したらまずは理性的な問題解決思考を試みますよね。でもそれでも迷い判断ができないときには身体が答えを知っています。

臨床心理学の「フォーカシング」は現代問題解決法として新しい問題解決の道を開く端緒となるかもしれません。

目次

問題に突き当たった時、通常だと…

問題が起こった時、右か左か迷うことがありませんか?
そんなとき正しい答えはどうやったらわかるのでしょうか?

毎日いろんな問題が起こりますよね。
小さなものだったら、電車に遅れそうになったり、
今日のランチに迷ったり。

大きなものだったら、社員のやる気のなさや成長意欲のなさ。
思うように自分の思いが伝わらないイライラやストレス。
まかせてしまったら危うくてしょうがなくて、
何度も言わないといけないなどなど。

リーダーだと、
大きな問題の方がいつも頭いっぱい占めて、

「本当によくなるには?」
「この自分の思いをどうしてわかってくれないんだろう?」
「この判断でいいのだろうか?」

と眠れず夜中に起きてしまうこともあります。

右か左か、これでいいのか悪いのか。
もっといい解決法はないのか。

そんなギリギリのときに、
どうすればいいのでしょうか。

ビジネスならば、一般的には、
戦略や目標達成や生産性の観点で見て
理性的な問題解決思考が求められるでしょう。

通常時にはこれは大切な指針ですよ。
そうでないと、判断の根拠がなくなり、
プロジェクトや組織全体のゴールの意味がなくなり、
達成が危うくなってしまいます。

でも、もしそうだと思って、どんなに考えても
霞がかかっているようですっきりしないときには
どうすればいいのでしょうか?

身体心理学的問題解決法「フォーカシング」

今回はひとつ、心理学からの智慧をご紹介しましょう。

この智慧は、

あなた自身がこれまでこの年齢まで、
この心で、この身体で、
さまざまな経験を経ながら、苦労も喜びも経験し、
「本当の良さ」を求めて生きてきた、

という事実に支えられています。

生きている限りは幸せに生きたいですよね。

大好きなひとと会うとワクワクしますし、
嫌いなひとと会うと心臓がバクバクしたりします。

心地よい場所を歩くと心が弾みますし、
危険な場所を歩くと緊張してじんわり汗ばんできます。

充実感ある仕事をしているときはイキイキして、
意味を感じられない仕事に向かうときは
「もういやだ」とうんざりする気持ちで
眼の奥がズシーンと重くなる時もあります。

こういったひとつひとつの経験は、
意識も無意識もぜんぶまるごと含めて
「身体全体」が経験してきたわけです。

つねに、あなたとともにあった、この身体。

この身体の声に耳を澄ませることを

「フォーカシング」

と呼びます。

現に、心理学的に確立された方法のひとつで、
臨床場面でも使用されているものです。

「フォーカシング」。

それは、身体の“感じ”をすなおに受け止め、
身体がどのように言っているのかを聴くこと。

難しく考える必要はありません。

ある物事を思い浮かべたり考えたりしたときに
身体に起こるその微妙で繊細な“感じ”を感じ取るのです。

それが「フォーカシング」のキモとなります。

「フォーカシング」の基本方法

もし、あなたが何かの問題解決に迷ったり、
悩んだりしたら、リラックスできる場所で、
体をゆったりさせてください。

そうした状態で、自分で自分自身の身体に問いかけます

たとえば、

「わたしは本当に○○でいいのだろうか?」

のように。

どうしても思い悩むことを問いかけてくださいね。

そうしてから、ゆっくり身体全体を感じます。
腕でも、胸でも、お腹でも、頭でも、足でも、腰でも、
どこからか、「変な感じ」がしてきます。

その「変な感じ」を素直に受け止めてください。
そうして、また同じ質問や、すこし形をかえた質問をして、
そのたびに身体の微妙な変化を感じ続けます。

そうした感じ取った「変な感じ」は、
言葉にするとどう表現できるでしょうか?

「怒り」でしょうか、「恥」でしょうか?
「プライドが許さない」でしょうか、「おそれ」でしょうか。
「強さ」でしょうか、「強がり」でしょうか。

その「感じ」が言葉になった時、
それがあなたの身体が感じているあなたの質問への答えです。

ストレスは身体の変調として現れます。
わたしたちはそれを
身体からのメッセージと受け取っていますよね。
そんなときには明らかに
身体を休めるのが正解だとわたしたちは知っています。

フォーカシングも原理としては同じだといえます。
身体はわたしたちの思う以上に、
わたしたちがどうすればいいのかを教えてくれている。

その微妙で繊細なウソ偽りのない感覚に
もっと耳を澄まそうというのがフォーカシングなのです。

もちろんこの場合逆でもありです。
すなわち、

「本当はやりたいんだけれども、リスクやおそれがあること」

なども身体に聞いてみてください。

どんなに外部的な判断基準ではリスクがあったとしても、
もし、身体が「静かな情熱」に満ちていたり、
「ふつふつしてたまらない」と感じていたら、
OKを出すタイミングなのかもしれません。

まとめ~問題解決は“全身”全霊で

あなたがここまで生きてきた。

その事実だけで、あなたの身体や深いところは、
あなた自身がもっともあなたらしく輝けるには
どうすればいいのかを知っています。

身体はフォーカシングだけでなく
デザイン思考など代表的な問題解決思考や
創造的思考法でも重視されています。

理性や意識だけの解決に行き詰まりが見える現代、
その枠に収まりきらないながらも、
いつもそばにあるリアルとしての身体が
あらためて注目されています。

意識で理性的に考えることももちろん大事。
同じくらいに、
いつもいっしょに生きてきた「身体」の声を聴くのも
大事にしてみませんか?

P.S
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧