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思考法/意識法

しっかり整理。ビジョン・目標・ミッション・バリューの違い

あなたの会社もビジョンなりを掲げてらっしゃることでしょう。

先に目指すものがあると、思考や行動もはっきりするものです。

なによりも、そのビジョン次第で、思考や行動の土台となっている意欲そのものが変わり、パフォーマンスや結果に響いてきますので、「何を見ているか」は重要です。

目次

ビジョンとはなにか? わかりやすくすると

あなたの会社もビジョンなりを掲げてらっしゃることでしょう。

先に目指すものがあると、思考や行動もはっきりするものです。

なによりも、そのビジョン次第で、思考や行動の土台となっている意欲そのものが変わり、パフォーマンスや結果に響いてきますので、「何を見ているか」は重要です。

ビジョンは、英語ではVisionと書きます。
Visual(ビジュアル)からの派生ですから、つまり、見えるもの、とくに未来において見えるものをビジョンといいます。

イメージとしては、山の頂上から見える風景を思い浮かべるといいでしょう。
山頂から見えるその雄大な風景を楽しみに、険しい山道や崖をのぼっていきます。

その雄大さをどうしても見たい、その風景や風景にたった自分たちをどうしても味わいたいというモチベーションが、危険や疲労を乗り越えさせるのですね。

このようにビジョンには、人を前に前に進ませるパワーがあります。
ところが、経営ということになると、一向にパワーを発揮しないビジョンらしきものも蔓延しています。

いくら「このビジョンを目指すぞ」と掲げても、社員はうんともすんとも反応せず、ただただ日常が過ぎるだけの会社もよくあります。
人にパワーを与えるビジョンとは、いったいどういうものを指すのでしょうか?

ビジョンと目標の違い

ビジョンは、目標とよく混同されます。
どちらも未来にあり、それを目指すのですから、同じもののようにとらえられます。

でも、ビジョンはそれだけで人にパワーを与えますが、目標はそれだけでは人に何も与えません。人によっては、「つらさ」や「めんどくささ」を感じるだけです。目標はビジョンがともなってはじめて、その本来の効力を発揮します。

ビジョンは山頂から見える風景だと先にお話ししました。
広がる大空、地平線水平線、どこまでも続く山脈、遠くに見える街の蜃気楼などなど、心わき立たせる風景です。

目標とは、その風景を見るために何を目指すかという到達地点のことをいいます。
「風景を見るためには、地上1000mの頂上までいかなければならない」といったようなものです。
たとえ途中に困難があっても地上1000mの頂上を目指したくなるのは、雄大な風景を見たいためですから、そのモチベーションが無いまま目指すのは、単に難行苦行でつらいだけになります。

ビジョンはワクワクさを感じさせますが、目標地点はそれだけでは無機質なものなのですね。

目標を掲げても社員がうんともすんとも反応しないのは、目標に到達しても現状と見える風景が変わらないからです。ならば、わざわざ難行苦行をしようという気持ちにはなりませんよね。

まずはビジョン、その次に目標が正しい順番です。

ビジョンとミッションの違い

念のために、混同されやすい、ミッションやバリューとも比較しておきましょう。

ミッションは、存在意義や使命とも訳されます。
なすべきこと、という意味ですね。社会において果たすべき役割と言えます。

わたしも好きなスターバックスは、Our Missionと名付けて、ミッションをホームページで宣言しています。

「ひとびとの心を豊かで活力あるものにするために-
 ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティーから」

スターバックスが社会で果たすべき役割とは、
「ひとりひとりの心を豊かで活力あるものにする」という役割なのですね。
そのために、「ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティー」を大切にしている、というわけです。

ビジョンが山頂から見える風景だとすれば、「どういう役割を果たすために山頂まで登るのか」がミッションといえます。

たとえば、
「チャレンジする姿で人々に勇気をあたえるため(与えるという役割を果たすため)」
や、
「休日にパートナーに思い出をつくるため(つくるという役割を果たすため)」
などのようなものです。

スターバックスのように、ミッションは、崇高で使命感がわき起こします。
ミッションが機能している会社は、みな目的にむかって一直線で、すがすがしささえ感じさせます。

しかしともすると、それは強迫観念や極度の責任感にもなってしまうことも裏面としてもあげておきましょう。経営の場合、社員たちに緊張感や硬直化もつくりかねません。

ミッションにもやはり、ワクワクする感覚は必要なのです。
ミッションを果たすこと自体が働く喜びになるような感覚。
つまり、ビジョンですね。

ミッションを果たすことで見える風景。それがあるから、ワクワクしてミッションに取り組むことができます。

スターバックの場合は、わざわざビジョンとは掲げていませんが、Our Missionを果たすことで、お客様が穏やかな笑顔でリラックスして幸せそうに生きている風景が目に浮かびますよね。その幸福感こそが、OurMissionを支えているのです。

ビジョンとバリューの違い

バリューとは、価値観です。
ビジョンを目指し、ミッションを果たすために、どんな価値観で行動をするのかという意味ですね。

山に登るにしても、「楽しく会話しながら登る」というやり方もありますし、「黙々と一直線に登る」という登り方もあるわけです。
それらには「楽しいことがいいことだ、好きだ」「まじめなことがいいことだ、好きだ」という価値観があり、それが登山という行動をするための判断基準となっているのですね。

バリューとは、山頂への登り方、登山への姿勢といっていいでしょう。

ちなみに、スターバックスはOur Valuesを掲げていますので、せっかくなのでご紹介しましょう。

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Our Values
わたしたちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし、Valuesを日々体現します。

お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。

勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。スターバックスとわたしたちの成長のために。

誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。

一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任をもちます。

わたしたちは、人間らしさを大切にしながら、成長し続けます。
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スターバックスはOur Valuesにおいて真っ先に「パートナー」、つまり従業員たちを掲げているのですね。スターバックスの従業員たちが、自社へのエンゲージメントが高いのもうなずけます。

スターバックスは、OurValuesという姿勢でもって、OueMissionを果たすことで、そこから見える幸せなビジョンを実現しようとしています。

見えるビジョンで、ミッションもバリューも変わる

大切なことですが、見えるビジョンによって、ミッションやバリューは変わってきます。

1000mから見える雄大な風景ならば、その風景にふさわしい、その風景を見るときのワクワク感にふさわしいミッションやバリューが出てきますが、たかだか30メートル程度の近所の小山から見える風景ならば、まあ、何も考えなくても登れてしまいますよね。

見える未来があるから、そのワクワク感や幸福感があるから、その未来にふさわしい自分になろうとするのです。

ビジョン、ミッション、バリューはどれも大切なのですが、人間という存在の原点にあるのは、ビジョンといえます。

ミッションやバリューは、あとから会社に必要なものとして考えるものですが、ビジョンだけは湧き上がってくるものだからです。

もちろん「ビジョンを描く」というくらいですから、ビジョンも考えていく側面もあります。が、ビジョンは描き始めれば、どんどん想像力がわいてとまらなくなるという性質があります。

子供の頃を思い出してください。

子供は興味あるものや、不思議や驚きに出会ったら、どんどん想像力を膨らましてワクワクが止まらずにのめりこんでしまいますよね。そのとき子供の頭の中には、まさにわいてきてとまらないビジョンでいっぱいなのです。もっと膨らませたい、もっと先を見たくてしょうがなくなっています。

同じ人間ですから、子供であろうと大人であろうと、人間存在として、湧き上がるようなワクワクや意欲がわく原理はまったくおんなじです。

大人の場合は、いろんなしがらみや固定観念で、そんな湧き上がってくるビジョン、本当はもっと見たくてたまらないビジョンを抑えこんで、「適当なところ」で妥協しているだけです。

本質価値でビジョンが変わる

「適当なところ」で収めたビジョンは、たしかに綺麗でよくできることもあるかもしれませんが、まったくワクワクもしませんし、社員たちにも響きません。

ビジョンは人間存在の原点から湧き上がるはずで、いうなれば子供心に通じるところがありますが、「適当なところ」のビジョンは、大人社会のしがらみの工作品にすぎないからです。

社員たちは、そして、あなたも含むわたしたちは、本来、経営や仕事というものに、単に金銭的なものを越えた、意義や意味を求めているはずです。それをやること自体が面白く、のめりこむことができて、充実した毎日を送ることができる。

たしかにやっている内容は大人的な責任あることですが、気持ちとしては子供心につながるワクワクしたような、作品をつくっているような感覚で、そんな感覚でみえる毎日の風景や自分の姿です。

それは、自分のすなおな源泉から湧き上がるものです。
その「すなおなものから見えてくるビジョン」こそが大切で、意欲や創造性の源泉になり、あなたや社員のモチベーションやパフォーマンスの大元になります。

わたしはそれを、本質価値、と呼んでいますが、あなた自身の本質価値にすなおになると、湧き上がるビジョン、つまり見えるビジョンはまるで違ったものが現れます。
目指したくなり、仕事したくなり、本来の自分たちになりたくなるビジョンです。

すなおに本質価値を見つめ、それに気づくことができたとき、大人社会のしがらみの工作品という感覚を抜け出ますから、すっきりとした目の前が開けた感覚へと至ります。

本田宗一郎さんもスティーブ・ジョブズも、あの松下幸之助さんも、言っていることやっていることは大人言語で翻訳されていますが、どうしようも子供心のようなワクワクが止まらない感覚が伝わってきますよね。

いまのわたしたちには、それこそが必要です。

あなた自身を大切にする

ビジョンを大切にする。本質価値を大切にするとは、すなわち、すなおなあなた自身を大切にするということです。

あなた自身の、本来のあなたらしいあなた自身が、しがらみや曇りのない経営の目となり、社員のすなおな心に通じる心を生み出します。

もし、いま、停滞したり道が見えないという感覚があるとしたら、それはあなたが間違っているというよりも、ただ、本来のあなたになっていないだけです。本来の会社の姿になっていないだけです。

曇りガラスからすなおに曇りをふけば、くっきりと風景は見えてきます。
リラックスして、まるで子供のころのように、すなおに見えてくるものを見て見ませんか?

それが現実を変革する最大の鍵、なのですね。

P.S
これからもブログをお届けしますので
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執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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