加速する!社員の仕事力超成長「振り返り法」
継続的に行うと、やるたびに弾みがついて、加速して成長していきます。
それが「振り返り」。
社員育成にも、自分自身にも“わざわざ”「振り返り」することをお勧めします。
目次
朝はTODOリストを確認しているが…
たとえば会社ならば、朝一に朝礼があったりします。
今日のやるべきことを確認しあい、確実に今日の目標を達成するために行いますよね。
個人であっても、仕事開始前にTODOリストを確認して、優先順位をつけて仕事を始める人も多いはずです。
ちなみにわたしもそうで、とくにサラリーマン時代に次から次へとプロジェクトが立て込んだ時は、A4用紙に今日のTODOリストを書いてから作業に取り掛かったものです。
ひとつ終わったらひとつ線を引いて消していくのですね。
一日のはじまりに、やることや優先順位を確認するのは、間違いなくお勧めです。
効率的に、生産的に一日を過ごすことができます。全部こなしたときの「ああ、今日も頑張ったなあ」という充実感ったら最高です。
「はじまりの確認」の重要性は変わりませんが、「成功=成長」を加速させるならば、ぜひもうひとつ“わざわざ”作ってほしい時間があります。
それが「おわりの確認」の時間です。
「振り返り」が必要な理由
「はじまりの確認」は、その日を効率的・生産的に過ごすために必要です。
漏れなく、確実にタスクをこなすことができます。
「行動」を促進し、「仕事」を促進します。
しかし「はじまりの確認」だけでは、実は「成功=成長」は促進しないのですね。
「はじまりの確認」はすでに決まったやるべきことを、効率的にこなすための確認です。
そのゴールは「完了させること」であり、そのための最短距離を見通すためのものです。
だから成長という面からいえば、個別具体的なタスクの処理能力は上がる一方、「大きなところをとらえられる」ようになるわけではありません。
ですので「はじまりの確認」だけでは、現場実行要員にはなれても、なかなかその上位クラスの思考力や判断力までは身につきづらいのですね。
そこで、もうひとつ取り入れてほしいのが「おわりの確認」の時間です。
つまり、「振り返り」です。
その日の終わりに、その日の仕事全体を振り返ります。
振り返ってみると、色々な反省点も見えてきますよね。
「確かにタスクの量はこなしたが、ひとつひとつの質は落ちたな」
「今日のタスクの優先順位、入れ替えたらよかったな」
「なぜ今日のあの仕事はうまくいかなかったのだろう?」
そんなあれこれを考えると、「じゃあ次はこうしよう」という改善点も見えてきます。
見えた改善点は、次の仕事やタスクに反映できますから、「はじまりの確認」の精度が向上していきます。
「おわりの確認」、つまり「振り返り」は反省し、向上させるために必要です。
仕事の質を高め、自分自身を高めることができます。
「意味」を促進し、「志事」を促進します。
「振り返り」のゴールは「成長できることに気づくこと」です。
一日の仕事を全体的に見渡しますので、より俯瞰的に第三者の視点で自分自身を見つめることができます。
「はじまりの確認」が、100m走のゴールテープを見ているとしたら、「おわりの時間=振り返り」は、走っている自分の姿を上空から眺めるようなものです。
小さな成長が積み重なり、全体的に自分を見る視点が積み重なることで、「成功力=成長力」に加速がついていきます。
「振り返り」の方法
「振り返り」は、毎日5分~10分でも構いません。
実際は日中仕事をしながら、都度反省もしているのがわたしたちですよね。
それらを最後に「全体的に見渡して」確認する時間があれば十分です。
大切なのは、“わざわざ”時間を取ることです。
もちろん仕事の内容によっては、プロジェクト完了のたびに、プロジェクト単位でも行った方がいいでしょう。
それでは、何を振り返ればいいのでしょうか?
オススメするのが、次の「4つの質問」です。
あなたやあなたの会社としてやりやすく効果的な質問があると思いますので、合わせて使ってくだされば幸いです。
----------------------------------------------------
「4つの質問」
1、はじめにどう計画していたのか?
2、何がうまくいったか?/うまくいかなかったか?
3、うまくいった理由は何か?/うまくいかなかった理由は何か?
4、次はどうするか?
----------------------------------------------------
1、と2、の質問では、「はじめの確認」でやろうとしたことを全体的に見渡し、その結果をすなおに受け止めます。
重要なのは、3、ですね。
3、で「なぜ?」を考えます。
「なぜ?」の答えは、正しい場合もあれば間違っている場合もあるでしょう。
その結果は、4、を経てまた次の仕事に臨むことによってわかってきます。
大切なのは「なぜ?」を考え続けることによって、個別の仕事だけではなく、「なぜ?」の精度も上がってくるということなのですね。
「なぜ?」を考えるとは、仕事に「意味」を見つけ出すことです。
これが「思考力」「判断力」「洞察力」を向上させるのです。
一度導き出した「なぜ?」は、その後あらゆる仕事やプロジェクトに汎用的に反映されていきます。「一を聞いて十を知る」仕事、いや志事になるのですね。
「振り返り」は楽しんでやるのがコツ!
PDCA(Plan-Do-Check-Action)のC(Check)と言えるかもしれませんが、「振り返り」は単なるチェックではなく、「なぜ?」を考えるところに真骨頂があります。
そういった意味で、PDWA(Plan-Do-WHY-Action)かもしれませんね。
「振り返り」はみな無意識にはやっているものです。
でも、なんとなくやったものは、なかなか自分たちの身につくものにはならないものです。
「また、やってしまった…」
そうならないためにも“わざわざ”“意識的に”時間をとることをお勧めします。
最後に念のため。
反省と言えば落ち込むイメージがありますが、「振り返り」は楽しいものですよ。
というより、楽しくやりましょう!
「自分自身を知る」時間でもありますから、全体を見渡して気づかなかった自分に気づいたときには心地よい驚きがあったり、ワクワクさえします。
「やった! 次はどうしよう?! 待ち遠しい!」
そんな「未来」が待ち遠しい気持ちになれるのが「振り返り」です。
だから次の日の「はじまりの確認」が、エネルギーいっぱいになれるのです。
「振り返り」は自分を痛めつけるためにやるのではありません。
「未来」をよりよくより幸せにするためにやるものなのですね。
楽しんで、リラックスして、味わいながらやってまいりましょう。
どうぞ、社員たちとあなた自身のために。
P.S
これからもお忘れないようブックマークをお願いします。
こちらも役に立ちます(「歴然。間違った組織開発と成功する組織開発の差」)
こちらも役に立ちます(「一言で社員のやる気を変えられるリーダーの言葉術とその秘訣とは」)
執筆者紹介
オフィスオントロジー
代表 友成治由
人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家
10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。
哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。
経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など
シェアする