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問題解決法

悩みに揺らがない自分~いつでも最高パフォーマンスができる禅脳思考

人生は悩みの連続と言ってもいいかもしれません。

お金の悩み
健康の悩み
人間関係の悩み

加えてまた現代は、本でもテレビでもネットでも、とにかく情報量が多いも。一説によると現代人は、平均的江戸時代の人が一生かけて接するニュースの量に、1日で接してしまう、というくらいです。

余計に脳の中は情報がいっぱいで混乱してしまいます。

組織においても、会社の将来、社員のこと、それらさまざまなことにイライラしてストレスを抱える自分。

禅脳思考は、わたしたちが本来の自分らしい自分で毎日を機嫌よく過ごすための、「具体的で役に立つ」スキルを教えてくれます。

目次

最高のパフォーマンスを出すトップアスリートの思考法

禅脳思考。

アスリートのメンタルドクターである辻秀一さんが、いかに外界に振り回されず最高の自分を発揮するかを提唱したものです。

仏教の「禅」的な脳の使い方。
現代的な禅的生き方、といってもいいかもしれません。

トップスポーツアスリートは、極限の状態で最高のパフォーマンスを発揮しなければ目指す結果を得ることはできません。

しかし、あなたの容易に想像つくように、心が千々に乱れたままでは体もこわばり本来のパフォーマンスができませんよね。

アスリートの話だけではないですよね。
わたしたちも日々、さまざまな出来事~問題~に出くわします。

そのたびごとに判断や決断が求められますが、やはり心が乱れていると適切な判断はできません。それどころか、問題はつねに起こるものですから、積み重なってしまうとストレスがたまり、自分自身の精神状態がどうにかなってしまいそうです。

一方、どんな問題でも適切に、とても効果的に対応して、波に乗っているかのような人もいます。そういった人を見ると、ほとんどの場合はドラマでみるようなしかめ面ではなく、穏やかで、冷静で、ときには問題を楽しんでいるかのようにも思えます。

そんなリーダーには部下も慕い、イキイキしています。たしかに彼らも問題は起こしますがその問題にも自分から対応していく元気がありますから、チームの雰囲気もとてもよくまとまっている。

この差は一体何なのでしょうか?

辻さんは言います。

「禅脳思考を身につければ、座禅を組むことなく、座禅をしたときと同じような心の切り替えができる」

ポジティブ思考の罪

心を整える、心をつくるなどというと、まずもって思いつくのが、ポジティブ思考ですよね。

物事をポジティブにとらえていこう、そうすれば、悪い出来事もポジティブな出来事になりやる気が出る。

そういうわけです。

ところが、このポジティブ思考が、わたしたちに多大なストレスを与えてしまっていると言います。

人間の脳には、「認知脳」という外界の出来事に処理する脳の働きがあります。
その中には出来事に意味付けをする機能も備わっています。
ポジティブ思考とは、そんなよろしくない外界の出来事にプラスの意味付けをする思考のこと。

ポジティブ思考の目指すところは、うまくいかない状況をプラスに捉えることで、自分のやる気をだすことにありますから、問題があっても、問題に対して前向きにプラスの気持ちになれることが目的。

だからポジティブ思考の達人になると、どんな問題に対しても元気に前向きにとらえて行動することができます。結果として問題にも積極的に取り組めるというわけです。

しかし、ここからです。
ポジティブ思考をしたからといって現実的に外界の状況が変わらないことも多い。しかも問題は日々さまざまなことが降りかかってくる。
もちろんそのたびにポジティブ思考で意味付けし直すこともできますが、何度かうまくいかない状態が続くと、ストレスになってきます。さまざまな問題に、そのたびにポジティブ思考で意味付けし直す。

どうにもこうにも「無理やり感」を感じてしまいます。

ポジティブ思考はたしかに、パフォーマンスを上げるひとつの方法です。
しかし決して最高の方法とはいえません。
ありとあらゆる情報があふれる現代では、外界の情報にたいしてつねに「認知脳」が働いているのですが、働き過ぎなのです。

ポジティブ思考、よくよく考え見ると、「外界の出来事に対してどう対応するか? じゃあポジティブに対応しよう」という思考ですよね。外界の問題が増えたり、重かったりするほど、その対応のために「認知脳」がはたらいています。ときには「認知脳」ばかりがはたらいて、無理やりなポジティブ思考で、本人自身がストレスを抱えてしまうこともあります。

ポジティブ思考は確かに有効な方法のひとつですが、その軸はつねに「外界」にあるわけです。

あえて批判的な言い方でいえば、ポジティブ思考は「外界に振り回される思考」とも言えます。

最高のパフォーマンスを出す一流アスリートは、実はそんなポジティブ思考的な脳の使い方、思考法をしていません。

最高のパフォーマンスができる心の状態とは

最高のパフォーマンスができる心の状態。

それは「フロー状態」にあるときです。

「フロー」とは1970年代にチクセントミハイ博士が研究した、パフォーマンスが極度に高い人に共通する心の状態に共通するものですが、辻さんはそれを日本風にこう言っています。

「“揺らがず” “とらわれず”の心の状態」

たとえば、柔道の試合、時間が残り10秒。
本来ならば、何をするのかだけを明確に、ただ淡々と集中して取り組めばいいだけなのですが、負けていたりでもすると“焦り”や“あきらめ”が出てしまいます。
心が、10秒という時間や、負けという状態に“揺らぎ”“とらわれて”いるのですね。

ポジティブ思考をしたところで同じです、10秒もあるぞとおもっても、まだ負けではないと思い込んでも、その時点で、状態にとらわれていることは確かなわけです。

“揺らぎ”“とらわれている”状態では、「認知脳」ばかりがはたらいて、もっと大きい「全脳(全部の脳)」がはたらけない状態なのです。だから最高のパフォーマンスも発揮できない。

「あるがままの、ナチュラルな心の状態」

とも呼んでいます。

上記は極限の状態での話なので、すこし難しく感じるかもしれませんが、ごく日常で考えてみるとフロー状態はよりわかりやすくなります。

たとえば、コップの水が半分にまで減りました。
そんなとき、「あ、水をもっと飲みたいな、飲もう」とふと思ったとき、ナチュラルな心の状態であれば、ただ単に水をコップに入れるだけですし、それがもっとも生産性の高いパフォーマンスといえます。

しかしこのときに、「コップの水が半分もなくなった、ああ、もう無い」とネガティブに考えたとしても、「まだコップの水が半分もあるぞ、ラッキー」とポジティブに持っていこうとしても、どこか頭の中で無理やりこねくり回したような「認知脳」の無理やり感を感じてしまいますよね。

“揺らがず”“とらわれず”、ありのままのナチュラルな状態は、実はもっとも自然なわたしたちの状態であるわけです。

すこし話はずれますが「認知脳」は、過剰な意味付けにより、現代の心の病の多くの原因にもなっています。すこし失敗しただけで物事を過剰にネガティブにとらえてしまったり、その裏返しで過剰にポジティブにとらえてしまったり。

いずれにしても自分に無理をしていることには変わりなく、積み重なって心を築けてしまうわけです。

禅脳思考は、起こっていることは起こっていること、それに振り回されない自然な心のままでいる思考のことです。いわゆる座禅の「無」のような特別な心の状態ではありません。

辻さんはこれを、「ごきげんな状態」と呼んでいます。

まだ見ぬ「結果」や、ただ起こっているだけの「出来事」、もう過ぎ去った「過去」など、「外界」に揺らがず、とらわれず、何が起こっても自分自身はひとつひとつ。毎日毎日を「ごけげんな心」でいられること。

それが禅脳思考です。

「認知脳」の暴走がおだやかになることで、脳の全ての機能-、無意識も含めた全脳が、自然で無理のないパフォーマンスを発揮することができます。

外界をしっかり認識することも大切ですから「認知脳」も大切です。が、それだけではなく、しっかりと自分の内側も整えて、質の高い毎日を送る脳―ライフスキル脳―の使い方をしましょう。

辻さんは、こういった全脳的なひとのことを「バイブレイナ―」(バイーふたつの、ブレイン―脳)

禅脳思考-バイブレインーを身につける方法

では、どうずれば禅脳思考ができるように―バイブレイナーになれるように―なるのでしょうか?

なによりも簡単で、効果的で、本質的なこと。
それは、

「自分に気づくこと」

です。

認知脳自体は生きている限り四六時中はたらいていますので、意味付けをやめることはできませんが、”過剰な意味付け”はやめることができます。

自分にストレスのかかるようなネガティブな意味付けをしたり、変に無理やりなポジティブ思考をしていたりしたら、「あ、自分は過剰な意味付けをしているな」と気づくようにするだけでいい。

それだけで、認知脳の暴走はおさまり、「外界は外界、自分は自分」、自然な心の状態に都と寝ることができます。

「外界に頼らず、自分で自分の心を整える」

これが、禅脳思考の基本原則です。

ありのままで自然な心の状態は「ごきげんな状態」ですから、そんな「ごきげんな状態」をつくるために、他にも日常から、こんなことに気づいたり、考えたりすればいいよというものも全編にわたって紹介されています。

いくつか例を挙げると

・自分の感情に気づく
・自分の心は自分で決めると考える
・好きなことを考える
・一生懸命を楽しむと考える
・表情を選択する(笑顔でいる)と考える
・今にいきると考える
・与えると考えr
・ありがたいと考える

etc

実際は、とてもシンプルな脳の使い方ですよね。
それだけに、ふだんわたしたちは、いかにごちゃごちゃ考えてしまっているかを思い知らされます。

最後に

今回はポジティブ思考を批判的に扱ってきましたが、実のところわたしはポジティブ思考は大好きです。

実際、ポジティブ思考をしている人で、自然で、魅力的で、最高のパフォーマンスを出している人も何人も知っています。

そして、禅脳思考を読んでわかったのですが、そのひとたちのポジティブ思考も、よくみてみれば、要は「ごきげんな状態」でいることでした。

つまるところ、ポジティブ思考、禅脳思考、呼び方はどうであれ、

わたしたちが、わたしたちらしく最高の自分でいられる本質とは、

「外界に頼らず、自分で自分の心を整える」

なのです。

「自然な自分は基本的にポジティブであるし、ポジティブであるのが好きだから、自分は外界はどうであれポジティブな自分でいよう。」

これだったら、まことにありのままの自然な心の状態ですよね。

わたしの場合も、物事に対してはくよくよする自分よりも、前向きにする方が「好き」だから、そんな自分でいるようにしています。

そういえば、大富豪である銀座まるかんの創業者、斎藤一人さんがこのようなこともいっていました。

「沈んでいる人に対して、自分まで沈んだら、ダメージを受けるのは自分なんだよ。自分はどんな人がいても元気でだと決める。自分で自分を決めるんだよ。」

あなたが、もっとも自然で、もっともあなたらしくいられる自分はどんな自分ですか?
経営者? リーダー? 上司? そんな外界の●●論で自分をガチガチにしていませんか?

人は不機嫌な人にはついてきません。

あなたがあなたらしくご機嫌であるとき、あなたも最高のパフォーマンスを発揮できますし、社員や部下もごきげんな状態ではたらける。

「外界に頼らず、自分で自分の心を整える」

あなたは、どんな自分でいたいですか?

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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