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組織活性化/組織一体化

エピソード。なぜか組織がまとまる社長のある日常

又聞きで恐縮ですが、この経営者のエピソードは、ずっと心に残っていました。

社員育成や組織活性化のためにもそうですし、“自分自身を経営する”ためにも大切だと感じたからです。

目次

不思議な会社

その会社は、
ファンとなって強く支持してくれるお客様も多く
業績も向上していました。

それ以上に素敵なのが、
社員が会社を大切に思っていることがわかり、
社内の雰囲気がいつもイキイキしていました。

給料ですとか、
休暇ですとか、
そういったことも社長は
もちろん気にしながら経営していましたが、
だからといって特別ということもありません。
他と比べても常識の範囲内です。

社内イベントを開催したり、
理念斉唱したり、
会社をひとつにするために効果がある
取り組みとも思いますが、
それも他と比べてそれほど
際立ったことをしているわけではありません。

でも、そんなことよりも、
社員たちが社長を信頼して尊敬している様子が
ひしひしと伝わってくる会社でした。

社内がイキイキしてまとまって、
社員は仕事にまい進しているのです。

社員の姿が本当に気持ちいい。

丁寧な対応や、
洗練された対応をしてくれる会社は
他にもいろいろあります。

教育がしっかりされている会社は
やはりそれなりの好感があります。

しかし、この会社の社員は、
形だけではなく、
「心から」気持ちよく仕事をしている
ことがビンビン伝わってくるのです。

いったい、どうしてなんでしょうか?

社員を家に追い返す

ある朝、
その会社の社員が難しい顔をして
出社してきました。

その、眉間がかたよった顔が気になり
社長は「〇〇君、どうしたんだ。」と
声をかけました。

〇〇君は、

「あ、社長、おはようございます。
実は、ささいなことなんですが、
今日の朝、妻とケンカしてしまいまして…」

社長がうんうんと聞いてくれるのを見ると
〇〇君は、

「あ、でも大丈夫です。
仕事は今日も元気に頑張りますので。」

そう言って、
仕事の準備に入ろうとしていました。

普通ならば、

「そうか。じゃあ、がんばれよ」

そんな感じで、声をかけて、
家庭は家庭、仕事になったら切り替えて
仕事へと体制を整えていくはずです。

しかし社長は〇〇君に
こう言ったのです。

「〇〇君、すぐに帰りなさい。
奥さんに謝ってから、
また会社へ来なさい。」


社長が大切にしていたこと

その社長は、
何よりも人の心や在り方を大切にしていました。

仕事というものの、
その時のひとの在り方がにじみ出るものだと。

〇〇君がいくら気持ちを切り替えるといっても、
奥さんへの怒りもあれば申し訳なさもあり、
本当に心からイキイキとすることができません。

〇〇君だけでなく、
奥さんも一日中もやもやし続けるでしょう。

〇〇君が心をすっきりさせてから、
また元気よく仕事に臨むことを
社長は望んでいたのです。

これはこの会社にとっては
特別なエピソードではなく、
社長はいつも、
社員が幸せでいるか、
気持ちよく仕事できる心もちでいるか、
そんなことを大切にしていたそうです。

社長にとっての
経営の目的は
お客様の幸せであり社員の幸せ。

仕事は手段。

だから、
社員が幸せでないうちに
仕事だけ効率的に進めるというのは、
目的と手段がひっくりかえっていて、
本末転倒なのです。

社員にとってみれば、
自分たちを大切にしてくれていることが伝わり、
自分たち自身もいつも気持ちよい状態で
仕事に臨めるのですから、
生産性が上がらないわけがありません。

本来の目的は何か?

わたしはいつも不思議に思います。

企業の目的は利潤の追求。

と一般的に言うにもかかわらず、
経営理念などを見ると、

「わが社は利潤追求のためにある」

なんてことをうたっている企業は、
すくなくとも公にうたっている企業は、
寡聞にして知りません。

みんな本当はわかっているのです。

なんとために利潤追求するのか?

それは、人生を幸せにしたいから。

利潤追求は手段。
幸せになることが目的。

この会社の社長の意識としては、
特別なことをしているのではなく、
本来の目的にただすなおに
従っているだけだったのです。

シンプルにまっすぐに

禅に、

「直指人心」

という言葉があります。

ただシンプルにまっすぐに本来の心へ。

そんな意味ですが、

社長の話を聞いて、
この禅語を思い出しました。

日々は、さまざまなことに追われて
どうしても大切なことを見失いがちです。

わたしだってそうです。
そんなときに、ふと

「なんのために仕事をしているんだろう?」

つぶやく羽目になってしまうのでしょう。

本来の目的。
もう一度考えたいです。

本当に目的とする幸せとはなんなのか?
もう一度考えていくことからはじめたいです。

毎日を気持ちよく過ごせる。

やっぱりこれですよね。


P.S.
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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