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唯一無二。一度で会社の人間関係をガラリと変える「傾聴の本質」

今日のお話は、できれば隠しておきたかったお話です。
というのも、わたしのコンサルティングや研修のネタ元だから。

 

というのは半分冗談です。
が、半分はけっこう強い本気。

 

それくらいに重要です。

 

部下のやる気、社内一体化、職場風土改革など、まとめて「人間関係問題」には、実にさまざまな方法や理論が提唱されています。

 

しかし、わたしの経験上、といっても相当な確信をもっていますが、もし唯一これだけ取り入れてください、というものがあるならば、この方法、このスキルです。

 

今まで意識したことがなければ、たった一度やるだけで、部下や社員のあなたに対する関係性がガラリと変わることが実感できるはずです。

目次

出会い

このスキルは、少なくともわたしの30歳頃以降今まで、もっとも私に影響を与えたスキルです。

わたしは元々当時上場を目指すベンチャー企業に入社し、2年程SE、その後はコンサルティング営業として歩んできました。
コンサルティング営業では、ありがたいことに活躍の機会が多かったのですが、30歳前後で二つの課題を密かに抱えていました。

一つは営業、というよりビジネスパーソンとしてより成長できるにはどうすればいいのか。
もう一つは、部下なども含めた、人間の心の問題です。

ただ仕事がデキるを目指すだけでなく、より広く深い人間になりたい。
そうなれたら、よりお客様や社会や多くの人に、より良い影響をもたらせるようになれるはずだ。そう真剣に思っていました。前向きな成長願望です。

しかしもう一つは、切実な痛みを伴ったものでした。
部下や同僚が、仕事や人間関係や様々なことで心を悩ませており、結果時には、あまりよろしくない辞め方などをしていくことでした。

名誉のために言えば、その会社だからというわけではなく、様々な会社で同様に抱えているものです。いわば現代のビジネス社会一般として抱えているものなのでしょう。

ただ当時のわたしにとっては、目の前のあんなに笑っていたA君が、Bさんが、C先輩が、苦しそうな顔をして去っていくことは、つらいものがありました。

背景には様々な会社と当人の事情があるのは、もちろん理解できています。
それに反対するものでもありません。

しかし、もっと他にも道があるのではないか。
少なくとも、辞めるにしてもお互いがお互いを尊重し合いながら、辞めても互いを応援できるような道が。

この2点の課題。
一見バラバラのようですが、どこかに、

「どちらも人間に関することだから、共通してなんとかできる道があるはずだ」

そう直観もしながら、もがいておりました。

その時に出会ったのがこのスキルであり、きっかけとなったのがこの本です。

人の話を「聴く」技術

題名は
『対話で心をケアするスペシャリスト<精神対話士>の人の話を「聴く」技術』

写真はわたしが購入したその本そのもの。少しボロいでしょう?
当時、何度も何度も読み返しましたし、その後ある程度掴んでからも、折に触れて読み返しております。

財団法人メンタルケア協会(現、一般財団法人メンタルケア協会によるもので、「聴く技術」つまり、「傾聴」について一般向けにやさしく解説されている本です。

「精神対話士」とは同協会の最上位の認定資格であり、「対話のプロ」として様々なクライアントへ訪問して、傾聴を主体に、人の心を元気づけたり勇気づけたりしています。
 
2009年発売当時、ふらりと寄った本屋でふと見かけてちょっと手に取った後、すぐさま購入しました。

「傾聴」という言葉自体は知っていましたし、仕事の場面でも実践しているつもりでもありました。にも関わらず、なぜかこの本は「買わねばならない」と感じたことを覚えています。
購入後に殺鼠稿パラパラとめくり始め、いつの間にか没頭し、気が付いたら一気読みでした。

ここには、まさに「聴く技術」に関して、実際の事例をもとにさまざまなポイントが記載されていました。

「傾聴」

もしあなたが、部下との関係や、会社や組織の人間関係に悩んでいたら、まず真っ先のここから、あなた自身がはじめてください。
そうして、会社や組織全体で「傾聴」を学び、お互いに実践し合ってください。

あえて大げさに言いますが、大げさでないくらいに、関係性がガラリよく変わるのが実感できるはずです。

それくらい、「人間にとって」重要だと感じています。

人の心が軽くなるときはいつか?

では、なぜ「傾聴」がそれくらいに「人間にとって」影響をもたらすのか。
それは「傾聴される方」、つまり人間とは「話を聴いてもらいたい存在」だからです。

思い返してみてください。
最近あなたは、自分の話をどれだけ人に聴いてもらいましたか?

一般的な事務連絡や指示などではなく、自分の夢や悩みや、よろこびやイライラや、個人的なことや仕事上のこと、強い部分や弱い部分。
 
 
ふとひとりで自分を見つめる時には、さまざまな感情や想いが湧いてくるはず。
時にはストレスやイライラで、どうしようも抑えきれなくなる時、またはぐっと心にため込んで我慢してしまう時もあるはず。
 
 
人間は黙っていても、心の内では実にさまざまなことを自分自身に対して話しています。
それが心地よいものであればいいのですが、多くの場合は、不満、イライラ、ストレス、我慢、怖れなどなど、自分自身にとって毒となるものばかりが心をよぎってしまう。
 
 
部下に対して、組織の業績に対して、家族に対して、これからの人生に対して…
もちろん「部下」「組織」「家族」「人生」など明確に分けられるものではありません。心の中では混然一体としています。
 
大切な部分ですが、この事は、あなた一人だけでなく、人間みんなそうなのです。
 
ではその「心の毒」が、ふと軽くなるのはどんな時か。
 
それが「人に話を聴いてもらった時」です。

話が止まらない

実はわたしは、この「精神対話士」の資格を取得し、プロとしての対話訪問も重ねてきました。
(※ 同資格自体は今も思う素晴らしい資格なのですが、私の仕事自体がシフトしたため、資格としては自主返納しました。)

また、その後はメンタリングという、やはり人の心を勇気づけるスキルとともに、チェンジ・メンターとして活動していますが、いつも驚きます。

「人は、本当はこれほどに自分の話を聴いてもらいたいのだ」

と。

男性、女性、性別は関係ありませんし、子供から高齢者まで年齢も関係ありません。

普段どれくらい抱え込んで生きているのか、その重みに愕然とするときもあります。
 
また逆に言えば、人はどんなに想いを持って生きていることだろう。
これほどの夢、想い、志、こんなにも持っていたんだ。
 
 
人間の尊さにも撃たれます。
 
 
よく統計などでも言われますが、人は孤独だと寿命が短いと言います。
男女ともに良きパートナーと過ごすと、寿命は長くなる。
それくらい、自分の心を共有できる存在がいる、共有できるということが大切だとわかります。
 
 
「人間とは話を聴いてもらいたい存在」
 
 
これだけでも今回覚えておいていただけると、本当に、人間関係に関して様々な気づきを得られます。

「聞く」と「聴く」の違いをもう一度しっかりと

では、「傾聴」とは、どういうことなのか。

まず「聞く」と「聴く」の違いを、明確に意識してコミュニケーションしましょう。

以下、『人の話を「聴く」技術』から一部引用すると、

まず「聞く」について。

―「聞く」は、英語で言えば「hear」。耳に入ってくる音を感じる状態です。人の話も雑音も同じ。耳に入ってきている音でも、意識しなければ聞こえてきません。目の前に話し手がいても、その話に興味が持てないと、言葉が入ってこない状態になります。(同P.12)-

聞くとは、単に音波が耳に届いているだけの状態です。
それでは、相手からすれば「話を聴いてもらっている」とは感じられないのですね。

では次に「聴く」とは何か。

―一方、「聴く」とういのは、英語で言えば「listen」。もっと積極的な気持ちで相手が話している内容を理解しようとする行為です。文字通り耳を傾ける「傾聴」という態度を示すことにもなり、相手も「この人は私の話を真剣に聴いてくれている」と思ってくれるようになります。(同P.12)-

「聴く」とは、「聴く意志」をもって、耳を傾けることです。

こんなことありませんか?
たとえば、部下が報告に来たとき、相手の顔は見なくてパソコンや資料の方を見て、その報告を受けていること。

これ、部下からすると「聞いて」はいるが、「聴いて」はいない状態なんですね。

そうなると、部下にはこう刻まれます。

「ああ、この人は、わたしたちに真剣ではないんだ。無関心なんだ。だったら、わたしもこの人にはその程度でいいや。」
 
これが組織崩壊、チーム崩壊を招いています。
これ、冗談でなく、そうなんですよ。
 
人は「聴いて」もらって、はじめてその人とコミュニケーションが成り立ったと感じるのですが、単に音波のみを「聞かれた」状態ならば、壁やレコーダーに向かって話しているものと同じ。「聞いた」人に対して、冷たい距離を感じるようになります。
 
ごくちょっとしたことなのですが、報告を受ける時に、パソコンや資料を見ずに、その部下へ顔を向けるだけで、部下は「聴いてもらっている」と感じてくれます。

「聞く」と「聴く」。

リーダーであるならば、必須知識として、ぜひこの機会に意識しなおすことをお勧めします。

傾聴の本質

傾聴の様々なスキルについては、同署を読んだり類似の本を読んだりして見てくださいね。

ここでは、では「傾聴」の本質とは何か、をお話します。

スキルも大切ですが、そのスキルの奥にあるこの本質こそが、「聴く」そのものだからです。

「傾聴」の本質とは何か。
「相手が受け止めてもらったと感じること」、です。

「話し手」が欲しいのは、自分の心を受け止めてもらうこと。

あなたに報告に来る部下は、やはり不安や緊張があるわけです。
そんな時に、ただ音波を「聞く」だけでは、受け止めてもらった思うことはできません。
不安や緊張はそのまま放っておかれているからです。

しかし、その報告のわずか1、2分、部下の顔を見て話を「聴く」。
すると報告内容はもとより、不安や緊張まで受け止めてもらった気持ちになります。

部下からすると、不安や緊張という一人で抱え込んでいた荷物を、共有してもらったという重い。一気に心が軽くなりますし、あなたに対して人間としての敬意や愛情を感じます。
 
だから、傾聴では、理解することよりも共感することの方がはるかに重要です。

理解とは相手の情報を論理的に処理しようとすることですが、共感とは相手の情報だけでなく、その情報を伝えるという奥にある不安や緊張までも受け止めている行為です。
 
共感があるからこそ「ああ、聴いてもらった」と感じることができます。

聴き方というスキルは、ぜひあなた自身のスタイルを築いてみてくださいね。
わたしも「傾聴の達人」に何人か出会っていますが、真剣に顔を近づける人もいれば、「ボーっ」とぼんやり空中を眺めているような人もいます。でもなぜか、その人に話すとすべてを受け止めてもらっているようで、心がとても軽くなります。

最終的なスタイルは人それぞれですが、共通するのは、「傾聴の本質」。
「相手が受け止めてもらったと感じること」、

ぜひそれを意識しながら、あなたらしい傾聴を模索してまいりましょう。

皆で傾聴しあおう

傾聴は、まず第一には個人のスキルではありますが、会社のスキル、組織・チームのスキルとすることに、ぜひ取り組んでいただけるとうれしいです。

ビジネスや仕事って、良し悪しは別にしても、プレッシャーのかかる場面は日常的にありますよね。だからこそ納期も守れたり、質の高い製品やサービスを提供することもできます。

でもそれがともすると
「プレッシャーの掛け合いこそが会社の人間関係の正しい姿」と思われがちなのが、「病(やまい)」なのです。管理、マネジメント、評価、効率…「人間」が失われています。
 
 
本来ひとには、夢や想いや志をだれでももっています。
ただ同時に、怖れ、不安、緊張、弱さなどを抱えているのも人間です。
 

それらを今まではなぜか目を背けるように、「プレッシャーの掛け合い」だけがビジネスコミュニケーションだとされてきました。
 
しかし、人間が本来もっているものは本来持っているものです。
それらを活かしながら、軽くし合い、支え合いながら取り組むことで、その人や組織や会社の社員たちは、会社や仕事が心から生きがいになってきます。

最新の理論で言えば、傾聴は組織に「心理的安全性」を急速にもたらします。
 
自分の能力や魅力を思いっきり活かせる。
怖れ、不安、緊張、弱さもあるけど、上も下も皆が支えあってくれる。
だって、社長も含め皆そうだから、と皆が思っている。
「人間同士」が共にいます。

だから、ビジネスや仕事で起こるプレッシャーにも、ドーンと前向きに安心して取り組むことができるのです。だから、最大限の個人、チーム能力が発揮され、結果、効率性生産性が上がり、会社業績や収益が上がるのです。

傾聴はその土台となる根本スキルと言えるでしょう。
 
 
ぜひ、まずは「聴く」を意識することからはじめてくださいね。


いつかあなたのお話が聴けることを、
そしてあなたにわたしの話を聴いてもらうことを
心から楽しみにしております。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

チェンジ・メンター

哲学存在論と意欲心理学に基づくメンタリングで、人と組織の可能性と創造性を引き出す。

ベンチャー企業(後、上場)に入社後、コンサルティング営業として活躍。
オフィスオントロジー設立後、会社変革、人財育成、意識改革等を、研修やメンタリング、コンサルティング等を通して支援。

本質に向き合い、わかりやすくできるように伝えながら、本来的意欲を引き出す。

宮崎県出身。今もなまりはとれない。


経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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