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人材育成/人材開発

社員が「変わる」人財変革法の根幹1/2

今日のお話は、自由にしますね。

 

突っ込んでいえば、自己心理学や組織変革論、脳科学や哲学の話にもとづいているのですが、典拠はとくに示しません。

とはいえわたし自身が経験したことから、「人が変わる、人が成長するには、ほぼこれだ」というものを言語化できてきたので、お話しますね。

 

組織変革や人財変革、人財育成など、「人の変化・成長」の課題にもし悩んでいらっしゃったら、多少はお役にたてるかと思います。

目次

前史、メンタルケア、聴く技術

わたしは元はベンチャー企業でその後上場した企業出身です。その会社ではいろいろありましたが、活躍の場もいただけたことに感謝しています。

その会社にいるときからわたしがもっていた大きな課題は、「みんなが」もっと元気になるには? でした。
せっかく一緒に働いて、またお客様や社会に役立つことをやっているなら、みんなが前向きで仲良くて会社が好きで、そして業績もよい会社にしたいなあ。
素朴なのですが、素朴なだけにいつも頭にこびりついていました。

とはいっても一介の一社員、できる限り前向きに明るくしていったつもりではありますが、どこまで周りの仲間、後輩、部下たちを元気づけられたかはわかりません。

うれしいなあと思うのは、今でも当時の先輩、後輩たちが声かけたりしてくれるので、少なくとも、それくらいの範囲では自分自身何とかしていたのでしょう。

とはいえ時には深く悩み、会社が嫌いになるほどの社員もいたのも事実で、「わたしはどうにかできないかなあ」と思い始め、精神対話士の勉強を始めました。
精神対話士とは一般財団法人メンタルケア協会の資格で、主に傾聴を主体とすることによって、心の弱った人を元気にするという活動をされています。

わたしは同協会が発行している「人の話を「聴く技術」」という本に感銘を受け、対話や接し方によって人を前向きにできる素晴らしさを教えてもらいました。
とくに、正確な言葉ではないですが、同協会の「聴く」とは

「消えかかったろうそくに、再び勇気の火を灯す」

メンタルケアというと、安心させる、心を楽にするという面だけではなく、今がどんな状態であっても「勇気の火を灯す」ためにやるものなのだ、という言葉が刺さり学び始めたのです。

その後会社を独立した年に精神対話士の資格を取得。5年間ほど精神対話士としてお宅に伺い一対一の対話を重ねたり、市民相談員などを務めたりしました。

人財変革事業、ドリームプランプレゼンテーション

独立後にオフィスオントロジーとして活動するわけですが、企業様向けの社員研修や社員活性化のコンサルティングなどで、会社や人の元気、変革を応援し続けています。

同時に「ドリームプラン・プレゼンテーション」という大会に出会いました。
夢や思いをもった人たちが、起業、事業して夢を叶え社会に貢献していく。
そのための応援者や共感者を集めるためのプレゼンテーション大会です。
この大会は、経営コンサルタントの福島正伸氏が提唱して2007年よりはじまり、今も全国で開かれています。ちなみに、わたしの「メンタリング」は福島先生に学んだものです。

わたしはそのひとたちの夢の事業プレゼンや事業計画書づくりを、メンターとして支えていくこととなりました。

プレゼンターの起業家、事業家たちは、「夢」を事業にしようとするわけですから、最初から困難だらけです。通常事業づくりと言えば、市場性や収益性などの調査をもとに起こしていくことがセオリーで、わたしが言うまでもありません。
でも彼らは「夢」ですから、「人を幸せにしたい」「最高だと思っているコレを人に伝えたい」そんな想いでやっているのです。

もしセオリー通りの視点で切り取れば、「甘い」「無理」「できない」「現実をみろよ」、そんな批判のオンパレードでしょう。しかしわたしは実際に接してみて、「これこそ人の活動の原点じゃないか?」と思わされましたし、今は年々確信してそう思っています。

よくよく伝説的な起業家、事業家の自伝などを読んでも、まだ彼らがゼロの状態のときはもっていた考えは実に素朴で素直なものだと気づかされました。

「たくさん儲けたい」という率直な願い、「困っているあの人を助けたかった」という願い、「理不尽さを何とかしたい」という願いなどなど、原動力となっているのは、人間がありのままに持つすなおな願い、想いだったからです。

わたしたちは成功した方々を見ると、最初から問題なくうまく成功したように考え、その人の話を聞いて参考にします。
しかし彼らもまだゼロの時は大いに悩んでいるのです。
「無理だ」「できない」「夢を見るな」そんなことを言われ続けあきらめそうになり、くじけそうになりながら、なんとかしてきたのですね。

ドリプラは、そんな今まだゼロの人たちの夢の可能性を信じて応援するための大会だと思ってくださればと思います。

もちろん起業する、事業を興すなどは、決断のいる人間の活動の一つですので誰もがやるものでもないでしょうし、わたしも誰にでもおススメすることはありません。


しかしサラリーマン時代からこれまでの活動を通じて、ひとつ確信したことがあるのです。

死ぬときの後悔の言葉

それは、『誰しもが「願い―想いもっていること』でした。

「もっとあの人と仲良くなりたい」
「もっと静かな場所で暮らしたい」
「より動じない自分になりたい」
「今の仕事をもっと打ち込みたい」
「もっと強くなりたい」
「もっと優しくなりたい」
「もっと欲のない自分になりたい」



数え上げれば、人間の数だけありますし、同じ人間でも無数の「願い―想い」をもっているため、無限と言っていいほどあります。

その「願い―想い」の内容の良し悪しはここでは問いません。

だれもが持っている、という事実。
これがどれだけすごいことなのかを、わたしは思い知らされたのです。

たとえばわかりやすいので、ドリプラの例を挙げると、プレゼンターはたいていが「夢」に押しつぶされそうになります。前述のとおり、「夢」ははかない泡のようなもの。批判、避難も受けやすく、また「夢」の段階では事実的な根拠もありませんから、すぐにはじけてしまいます。

また「夢」をまずはプレゼンテーション、事業計画書という形にして、現実化していく。
その過程でも、ありとあらゆる「自分のできなさ」を痛感します。

想像してみませんか?
ご自身のやりたいこと、やろうとしていることが人からは批判され、いざ自分でやろうとしたらできないことばかり。

これはツライです、よね。

ほとんどの人は、―わたしも含め―、まずあきらめてしまいます。
今の安定的な状況で妥協し、良しとし、正当化して生きています。

でも本人の心には、ずっとずっと根深く残り続けるのです。

「わたしの本当の想いはこうではなかった」

と。

近年、終末医療、ホスピスなども重要性が広く認知されてきており、その分「終末期に人が思うこと」の調査、研究も進んできました。

そんな中、有名な「死ぬ前に後悔する5つのこと」というものがあります。

あるホスピスの看護師が長年多数の終末期の高齢者と接していて、彼らが死の直前に残す「後悔の言葉」を集めたものです。

その一位は、

「もっと自分に素直に生きればよかった」

でした。

わたしたちは、誰もが、「願い―想い」をもっています。
しかしほとんどの人は、その「願い―想い」を押し殺して、日々を生きています。

もちろんその生き方は、その時々にやむにやまれぬ状況があり、決して本人の強い弱いの問題とは別でしょう。まただからこそ美しい生き方をしている方も大勢いらっしゃいます。

しかしもし、ただ押し殺して、表面上の無難さだけで生きてきたとしたら。

「押し殺して」と言いましたが、決して「願い―想い」は無くなるものではないのです。
ただ、押し込めれられるだけ。
それは、ずっと意識的にも潜在意識的にも、自分の中の大きなしこりとなって残り続け抱え続けることになります。

わたしがこれまでの経験で何度も見てきた感動的なことは、「本当の願い―想い」を出した人は、とにかく心からすっきりした笑顔をするということでした。
そして人が変わったかのように、イキイキとはつらつと行動していきます。

「よく生きたい」

「本当の願い―想い」を、わたしは「よく生きたい」と呼んでいます。

「よく生きたい」

人が誰しももっているものです。

その「よく生きたい」は、世界を変えるような壮大なものもあれば、今日の晩御飯をおいしくゆっくりと家族と味わいたいというものあるでしょう。

経営者なら、「社員がイキイキして、業績も伸ばしたい」という思いがあるでしょうし、社員ならば「仕事にやりがいを感じたい」というものがあるでしょう。

その大小は関係ありません。
ただ、「よく生きたい」を誰しもが持っていることが大切なのです。

「よく生きたい」を、そのまま生きている人は、まっすぐでさわやかです。

たとえば、会社組織において、社員がイキイキとして仕事に取組み、仲もよく、業績もいい。
そんな会社は、経営者も社員も「よく生きたい」をそれぞれ生きています。

経営理念やビジョンやバリュー、最近だとパーパス経営などさまざまな指針が提案されていますが、ごく粗くいえばすべて会社として「よく生きたい」を表現したもの。
それらが、ひとりひとりに浸透しているわけですね。

社員の立場でみれば、人間として会社で働くならば、

「本当はやりがいのある仕事をしたい」し、
「上司からも認められながら、成長へ導いてほしい」し、
「働きたいけど、そのためにも休みたい」し、
「会社のみんなと信頼し合いたい」し、
「社会に喜ばれて、誇りに思える会社にいたい」し、

経営者の立場でみれば、人間として経営するならば

「社員にイキイキとしてほしい」し
「社員には会社を誇りに思ってほしい」し、
「社会によろこばれる会社にしたい」し、
「社員には自分のことも好きでいてもらいたい」し、
「みんなで一丸となって大きな目的を達成したい」し

それらが、てらいもなく、変に「ビジネスとしては」で固められることもなく、すなおに「よく生きたい」をみんなで実現しようとしているのですね。

自分の仕事を否定するようで、言いづらいのですが、、、

人間はとても奥が深い生き物ですが、
とても単純、というよりシンプルだと感じています。

だから本当のところ、すなおに「よく生きたい」だけを会社のみんなで見つめていければ、いい。
そういった意味で、あまりわたしの必要はないのかもしれません。


ちょっと強めに言えば、わたしたちは、実は、もっとシンプルに「よく生きたい」を実現できるのではなないのでしょうか?

ビジネスだから、仕事だから、常識ではないから…

そんな、脳の表面上だけで考えたさまざまな雑念が、経営も社員も苦しめているような気がします。


わたしが今感じるのは、人が「よく生きたい」という思いは尊いものだということです。

自分を幸せにし、人を幸せにする原動力。
たとえもし困難な状況が生じても、その原動力に支えられて、困難でさえも楽しみや成長に変えながら乗り越えていきます。

正直な話、時々わたしは、こんなこと言って何になるんだろう?
と思うこともあります。この記事をどれだけの人が見るのかわかりませんし、お伝えしても心に届く人には届くし、届かない人の方が多いかもしれません。(わたしの伝え方の未熟さが大一要因ですが…)

でも、わたしにとっても伝えないでいるよりは、伝えることで一人でも二人でも、「よく生きたい」への勇気の後押しになったとしたら、やっぱりうれしいんですね。
わたしにとってもこれが「よく生きたい」の一つの表現なのです。

人と組織を変える力

「よく生きたい」には、人と組織を変える力があります。
シンプルですなおなだからこそ、フォーカスする力が強く、「よく生きたい」で経営、仕事をするようになったら、それ以前には戻れなくなるほどの力があります。
それくらい、「これがわたしたちの本来の姿だったんだ」という確かさを感じることができます。

長々と書きましたが

「よく生きたい」にすなおになろう。

これが今回お伝えしたいメッセージです。

では「よく生きたい」へと導くためにどうすればいいのか。

それについては、今日は長々となりましたので、次回 であらためてお話しますね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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