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思考法/意識法

白鵬に学ぶメンタルトレーニング「弱い心」のままでいい

仕事やパフォーマンスで、どうしても成功できない。それは「心が弱い」からだ。

だから

「心を強くせよ」。

よくそういわれます。

個人で悩んでらっしゃるひともいるでしょうし、下や社員など教えていく人にたいして「もっと心が強くなければならない」、このような言葉もよく聞かれます。

しかし、あえて提言します。

「心を強くする必要はない」

と。

目次

「心を強くする」に疑問をもつ

そもそも「心」というものがとらえにくいものですが、わたしたちが問題にするのは、たとえば「ストレスやプレッシャーに弱い」「自信がない」「問題にあたると逃げてしまう」「続かない」など、目指す目標に対して、ひるんだり、さけたりする気持ちの状態です。

だから「心を強くすれば」、目指す目標に対して100%(以上)のパフォーマンスを出せて、成功するだろう。そう、わたしたちは想定しています。

でも、「心を強くする」ってどういうことなんだ。
それがなかなかできないから、悩みが深いのだ。

「心(こころ)」という言葉は、「“ころころ”と変わりやすい」ことからきているそうです。俗説だとは思いますが、なるほどなあと思わされますよね。

「心を強くする」には憧れますよね。
もちろんわたしもそうです。
ぜひともほしいものであることは間違いありません。

とはいえ、「心を強くする」って本当のところ、どういう状態なのでしょうか?
薄味に塩を足したら塩辛くなるように、心に気合を入れたら心を強くしていると言えるのでしょうか?

横綱白鵬のメンタルトレーニング

参考になったのが横綱「白鵬」でした。
『「白鵬のメンタル』(講談社α文庫)によると、白鵬は「心が弱かった」というのです。

白鵬は相撲史上に残る横綱です。優勝回数は市場最多、双葉山に次ぐ63連勝記録ももっています。
体格もがっしりしていて、さぞ、はじめから将来の横綱候補として嘱望されていたかというと、まったくそうではなかった。力士としては小柄で、入門時は175センチメートル68キロ、まあ、街でも普通にいるような細身からはじまりました。

その昇進も決して連勝街道を驀進していたわけではなく、幕下時代は、勝ったり負けたりを繰り返して、決してエリート力士ではありませんでした。

「モンゴルに帰りたい」
そんなことも親しいトレーナーなどには漏らしていたそうです。

ではそんな白鵬がトレーナーと一緒にやってきたことは何か。

ひとことでいえば、「自分自身の意識化」でした。

白鵬は「流れ」という言葉をよくつかっていたそうです。
では、白鵬がいうその「流れ」とはどんな意味をもつのか。
それを、トレーナーと一緒に、連想して言葉にしながら、ひとつひとつ意識して落とし込むようにしていきました。

たとえば、白鵬のいう「流れ」のイメージとは、「朝起きる」「自然体」「集中」「膝を落とす」「野菜を食べる」「土俵に礼」「稽古に出る」などなど、175語くらい出したそうです。

その中で、「流れ」につながるような行動を意識しながら、日々振り返りながら、重ねていった。

大雑把にいえば、こんな感じです。

63連勝記録が途絶えた日、白鵬は自分はまだまだだと思い、気持ちが落ち込んでいたそうです。しかし二人三脚だったトレーナーの「明日は、朝稽古に出た方がいい」という言葉に
気乗りがせずはじめはいやいやだったそうですが、朝稽古にでました。

しかしそこであらためて自分の流れを意識し、作り直し、気持ちを切り替えた白鵬。
翌場所は、15連勝で優勝を果たしたのでした。

著者(トレーナー)の内藤さんはこのようなことをお話ししています。

「弱い心はみな持っている。でもその上で、問題解決を続けることで“結果として”メンタルを強くしている」と。

言い換えると、弱い心を強くするのはない。
弱い心を認めて、ひとつひとつを大切にしたら、気が付いたら心が「強くなった」のです。

強さは弱さの否定ではなく、弱さを認めた結果から生まれる

これはわたし自身やわたしが育成してきた方々との経験からも、まさにそう!と言いたくなる言葉でした。

オプション装備するような、あたかも「強い心」というモノがあるわけではありません。薄味に塩を足すように、心に強さを足すものではありません。

気が付いたら「強いといわれる状態」になっていたという、ひとつひとつの課題をクリアしていったら、結果そうなっていたという状態のことをさすのです。

「心を強くせよ」という言葉は、マラソン選手に「なんでゴールにいないんだ。早くゴールに行け!」と言っているようなものです。一歩一歩走った結果ゴールにたどり着くのであって、言われてすぐにゴールを手に入れるわけではありません。

大切なのは、今の状態や今の弱さを認めた上で、次の一歩を重ねることです。
弱さを認めるからこそ、弱さを受け入れて、今の弱さからできる、次の一歩を踏み出すことができます。
その一歩ができたら、次の一歩も踏み出せます。そうしたらまた次の一歩も踏み出せます。
気が付いたらはるか遠くまで進むことができている。
振り返ってみると「強いといわれる状態」になっているのです。

これにつきます。

「心が弱い」のは、だれでもそうです
多かれ少なかれ、だれでも弱い心をもっている。
しかし、それを否定するのは、なんにもつながりません。

42.195キロメートルのうち、今10キロメートル地点にいること自体を否定しているようなものです。
わたしたちが考えるべきは、10キロメートル地点にいることを認めたうえで、そのうえで次の一歩をどう出していくかではないでしょうか。

弱さをなくさない、共存し、考え、意識化する

「心が弱い」。
その状態を認めたうえで、そのうえで、今できることはなにか?
それを否定するのではなく、それを受け入れた上で、できることはなにか?

たとえば、プレゼンではどうしてもプレッシャーで失敗してしまうとしたら、
プレッシャー今の自分ではどうしてもかかってしまうことは認めたうえで、
「準備に時間をかける」であったり、「失敗しても大丈夫なプレゼンから繰り返す」など、できることを考えることができます。

重要なのは、そんな、「プレッシャーに弱い」という自分を、丁寧に意識化し、冷静に認めることです。

「心の弱さ」を、落ち着いて、ゆったりと、冷静に見つめて、意識化して、受け入れる。
そして、そのうえで、問題解決につながることをひとつひとつやっていく。

そうすると、少しでも成功体験、白鵬ならば「流れ」を感じる状態を体験することができます。

「これでもいいんだ。」
「以前よりも、一歩だけでも前に進めた。」
「あ、自分はできるんだ。」

それを繰り返すことで、少しずつ「弱い心」に振り回されるのではなく、「弱い心」と上手につきあいながら、それでも目指すところへ進むことができる「確かな自信」が生まれてきます。

内藤さんの言葉を借りれば、

「弱い心はなくさないで、共存して、それを素直に考え、そのうえでどうするかを意識する。」

これをやっていくうちに、気が付けば

「あの人は、心が強い」
「あの人は、動じない」
「あの人は、いつでも自分の力を発揮できている」

というような人に育つことができるのです。

参考までに、白鵬や内藤さんによれば、特別なことではなく、「朝稽古に出る」ですとか、「あいさつする」ですとか、「時間通りに行動する」ですとか、そんな日常の小さなことで「流れ」をつくっているそうです。

まとめ~弱さと上手に付き合うから可能性が生まれる

わたしたちにも、「自分の心の弱い部分」とつきあうために、今からでもできそうなことはいろいろありそうですね。

弱い心も、自分自身。
弱い心だからこそ、自分らしい(あなたの会社らしい)ひとつひとつの解決も生まれてきます。

弱いと認めるからこそ、それをプラスに転じる可能性が現れます。
だからわたしたちは、すばらしい個性や魅力を発揮することができるのです。

弱い心を意識し、上手につきあっていきましょう。

P.S
これからもブログをお届けしますので
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執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるチェンジメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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