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幸福度が高い地域の特徴とは。社員幸福度を生み出すヒント

コロナ前以来、実家の宮崎に来ています。

研修の仕事でひさしぶりに宮崎を訪れてあらためて考えさせられています。

宮崎が宮崎たるゆえんとは何だろうか?

宮崎が、真に、そこに住む人の力で発展していくために欠かせないことは何だろうか。

それはひとり宮崎のみならず、あらゆる地域、企業に通ずるものであることに心が動かされました。

目次

神武天皇は宮崎県生まれ

宮崎では2021年7月3日より、第35回国文祭・芸文祭が開催されています。
国体の文化・芸術版ですね。本来は昨年開催予定でしたが、コロナにより延期。そのため、国民文化祭2020+1として開催されています。
開幕イベントでは、オンラインを通して天皇・皇后両陛下もご挨拶されました。

宮崎における国文祭のテーマは、「いざ神話の源流へ」。

宮崎県は「神話のふるさと」として古事記・日本書紀における神話伝承の土地です。
天の世界にいた神々がはじめて地上におりたったのは、この宮崎県。「天孫降臨」と呼ばれます。神話の世界とはいえ、初代天皇である神武天皇はこの宮崎県出身ですから、両陛下のお心は計り知れないとはいえ、開催する県民にとっては感慨深いものがあったのではないでしょうか。

宮崎空港を訪れたことがある人はご存じでしょう。一時間ごとに構内の大時計が開いて機械仕掛けの神楽が舞われます。神楽も神話の時代からの伝承芸能ですね。

宮崎が宮崎たるゆえん、宮崎がこれからも多くの人をひきつけ、発展していくためにはと考えた場合、神話は強いよりどころであると思っています。

幸福度が高い地域の特徴

『成功している人はなぜ神社に行くのか?(八木龍平著)』という本は、本の中身もおもしろいのですが、印象に残っているのは書籍で紹介された研究論文です。

それは街や地域の幸福度の調査。
自分の町や地域を好きと感じ、この街に住むことを幸せだと思っているかどうかに関する研究です。

結果、幸福度が高い街には、あきらかな特徴がありました。
それは街の中心に、心の拠り所として「神社」があったのです。
「神社」があり、お祭りや日頃の何気ないお参りなど、日常から大切にしている土地に住む人たちは幸福度が高かったのです。
「神社」が位置なので、他にも「緑のある大きな公園」がある街も幸福度の高い街でした。

逆に幸福度が低かった街はどんな特長があったのか。
それは「ごちゃごちゃした街」という要因でした。言い換えると街のシンボルや街が大切にしているものもなく、純経済的な街としてただ人が集まったような、そんな街です。

『成功している人はなぜ神社に行くのか?』ではその後は神社の不思議なお話に移っていくのですが、わたしは、神話であれ神社であれ、「大切にしているもの」がある場のひとたちの話だと思って読みました。

神話でも、神社でも、文化でも芸術でも、経済的な視点と比較して「副次的なもの」として扱われがちですが、そろそろ、すくなくともリーダークラスのひとならば、その視点は狭いと自覚してもいいと思っています。

リーダーがもつべき視点

極論に聞こえますが、率直に言えば、人間も物体であり「動物」でもありますから、食わせておけば生存はできます。
経済的な視点が大切だということでその面ばかり強調する人は、要はその人間観は「人間は食わせておけばいい動物だ」と宣言しているも同様です。

この創造性の時代に、多くのひとをまとめみちびくリーダーの視点としては狭いと、もう、感じなければいけません。

経済的な視点はもちろんかわらず大切。
しかし同時に「人間」としてどうこの世界を生きるかという視点も、同じくらい大切なのです。
そして「人間」的な視点とは、経済的な視点だけでなく、生きがいや誇りや「わたしたちには大切にしているものがある」といったものにあります。

「幸福学」の前野隆司氏によると、アメリカの研究結果で、「幸せなひとは生産性が31%高く、創造性は3倍高い」という結果が出ています。

経済的な視点も重視するからこそ、同時に「人間的な幸せ」も追求しなければならないのではないのでしょうか。
生産性や創造性がより求められる時代ならばなおさらです。

地域でも企業でも、背骨が必要です。
「わたしたちは、これだ」という背骨がある場と、ない場では、そこに住み働くひとたちの意識や幸福度は全く違ってきます。

宮崎の場合ならば、神話はその背骨になるでしょう。
まだまだ「観光業のネタ」くらいにしかとらえられていない、つまり経済的資源のひとつとしてとらえているフシの論調もありますが、「神話」がある土地に生まれているという誇りや大切にしたい思いをとくに学生や社員教育へと落とし込んでいけば、中長期的な目で、有意な人材を大勢輩出するでしょう。

他の地域でも企業でも、そんないわゆる「心のよりどころ」となるような「わたしたちは、これだ」というものが、そこにいる人を育て、社会(組織)を育てます。
そしてその地域や企業らしい生産性や創造性を生み出していきます。

よりどころになりうるものは必ずある

さて、では、「わたしたちは、これだ」という「心のよりどころ」はどうすればつくれるのでしょうか。

ソレは、歴史の中にあるのです。
宮崎の場合は神話がありましたが、どの地域でも企業でも、ソレはかならずあります。

地域であれば歴史ですし、企業であれば創業者の人生や企業が歩んできた社史の中にあります。

たとえ新興地域や新興企業であっても、そこに人がいる限り、その人たちが生まれてから今まで生きてきた“歴史”はかならずあります。

そんな歴史を掘り出すことは、「あなたがあなたたるゆえん」を掘り出すことであり、その作業を通して「わたしたちは、これだ」というものが見つかってきます。

自分は何を大切にしてきて、今をつくってきたのか、これからどうしたいのか。
それが、点ではなく、時間という長さのある軸として浮かび上がってきます。

歴史という視点は、ひとをより長期的で本質的な視点へと育ててくれます。

重要なのは、「わたしたちは、これだ」という「心のよりどころ」は、キレイごとでもなく、無理やりこしらえる物でもなく、あなた自身が事実生きてきて大切にしてきたことの中にあるということです。

大切なものがあるひとたちがいる場

神社を大切する街は幸福度が高い、という研究結果は、示唆するものが深いと感じます。

わたしたちにとって「大切にしているものがある」ということ自体が、自分自身の幸福度を高め、生産性や創造性を高めているのでしょう。

いま「でしょう」と言いましたが、クライアントや自分自身の経験上、それは確信しています。大切にしているものの質が、地域や企業の質を決めるといってもいいと思っています。

わたしたちはその「大切にするもの」を本質価値と呼んでいますが、大切なものを大切にすると、見える風景やビジョンまでが違ってきますので、日々の仕事や経営の取り組みもまた変わってきます。

あなたの会社の大切にするものはなんですか?

いまあるならばより大切にしてくださって、よしあらためて考えようというかたはぜひこれまでのあなたを大切にしてくださったらと心から願っています。

P.S
これからもブログをお届けしますので
お忘れないようブックマークしてくださいね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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