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リーダーシップ

組織はリーダー次第。「DO型」から「BE型」リーダーシップへ

組織やチームはリーダーひとりで、がらりと変わります。

あるリーダーの元ではくすんでいたメンバーたちが、別のリーダーに変わったとたんに精彩を放ち、目覚ましい成果を挙げたりします。

リーダーシップは大きく二つにわけられます。

もう待ったなし。これからの時代のリーダーは、リーダーシップの在り方を早急に変えていく必要があります。

目次

今のリーダーがいる時代の姿

現代の日本を大きな目で眺めてみると、価値観や生き方の大転換期にあることは、あなたも感じられるのではないでしょうか?

たとえば少子高齢化は、ある意味もっとも大きな問題です。これまでの日本は「人が増えていく前提」の社会でしたから、そのように制度もつくられ、経済も文化も価値観も育まれてきました。
人口動態は、海底を流れる海流のようなものです。わたしたちの目にはほとんど意識されませんが、ふと空から長い目で見た場合に、国や地域にもっとも影響を与えています。

身近な言葉でいえば、要は人がいなくなるのです。そしていまいる人は人類史上最も長期間にわたって死ななくなったのです、老いの期間の方が長いのです。雇用や購買力の問題から、介護や医療の問題まで日本で「問題だ」と言われているものの根本にはコレがあります。

他にもテクノロジーも幾何級数的に発展し、2040年とか2045年には、人工知能が人間の知能を凌駕するという「シンギュラリティ」の時代に入ると言われています。これまで人類が他の動物と隔絶された強みは「知能」だったわけです。人類史上はじめて自分たちよりも「知能」が優れている存在が現れ、それが社会生活の主流を担う時代がすぐそこに来ているのです。

おどろおどろしくお話しましたが、恐怖をあおりたいのではありません。
「答えがわからない時代にいる」ということなのですね。

単に価値観が多様化している、では片づけられない大きな流れは、みんな多かれ少なかれ感じているでしょう。なんとなくでも「これからどうなるのかな?」と不安に思ってしまいます。

そんな「答えがわからない時代」では、ひとりひとりが「自分はどう生きよう? 何を選ぼう」ということに“自覚的に”なっています。

仕事の面でも、働き方や会社に求めることや自分のキャリア、会社の理念さえも、ひとくくりに「こうすべき」とは言えない時代になっています。

これからのリーダーが向き合っていること

このような時代のリーダーは大変です。
答えのわからない中で、何をリードするのか。

大きな組織やプロジェクトのリーダーだけではありません。
数人程度のチームでも同じです。

ひとりひとりが「自分はどう生きよう? 何を選ぼう」とバラバラな中、「答えはこれだ!」なんてリーダーっぽく押し付けようとしたら、とたんにそっぽを向いてしまわれます。
そんな中でも、組織やチームがまとまっていくようにはしていかなければならない。

とはいえです。

とはいえ、たしかに大変なのですが、リーダーになることがより魅力的なときでもあります。

答えがわからないということは、わたしたち自身で新しい答えを生み出していけるのです。

ひとりひとりが「自分はどう生きよう? 何を選ぼう」と思っているということは、それだけメンバーひとりひとりが自分ごととしてチームに参画してくれるのです。
より本質的に、より深く考えて目的に向かうことができるのです。

大変、つまり大きく変わることができて、より創造的、より可能性を発揮できる役割を担えるのがこれからの時代のリーダーです。

社会が激変する時代は、歴史上、洋の東西を問わず、ひとはより本質的に、より広く高い視点を持とうとし、指針を見つけようとしてきました。

約2500年前に釈迦、ソクラテス、孔子が現れたのは偶然ではありません。研究もされている通り、その時代は人類がはじめて「都市」という生き方を始めました。人類の生き方そのものが大変動してきた時期でした。

日本においても幕末から明治維新にかけては、「日本とは何か?」「日本はどうあるべきか?」のような議論が日本中で沸騰したわけですね。

例を挙げるときりがないですが、答えが見えない時代では、人間はより本質的になろうとし、その中から新しい道を切り開こうとしてきました。

わたしたちも、そんな「チャンス!」な時代にいるのですね。

2つのリーダーのタイプ

このような時代のリーダーシップは、これまでの時代のリーダーシップではピントが外れてしまいます。

「このような時代」なんて言いましたが、お話しているものは、毎日接している社員やメンバーであり、これからやっていきたい目的や目標です。

目の前の人たちに対して、あなたはどう接していくのか。
どんなリーダーでいるのか、それが問題です。


ここで指針になるのが、リーダーの2つのタイプです。
この2タイプを理解すると、今からわたしたちが目指していく方向性が見えてきます。

それが「DO型リーダー」と「BE型リーダー」。

リーダーシップに関する資質や要素は、もうそれこそ古今東西何千年も語られてきていますよね。

ざっとあげるだけでも「統率力」「指導力」「決断力」「威厳」「創造力」「調整力」「意思の強さ」「行動力」・・・言葉を変えれば、もっと何百個もも出てくるかもしれません。

これらの大切さは何千年も語り継がれてきたものです。
変わらずこれからの時代も重要になるでしょう。

しかし今お話するのは「資質」や「要素」の視点でなく、「在り方」の視点です。

「目的を実現する」という全員で目指すゴールがあります。
そのためにリーダーもいるのですが、ではそのリーダーがメンバーに接していく場合に、「どちらの側に在るのですか?」が問われています。

DO型リーダーシップ

「DO型リーダー」とは「DO=行動」を中心とするリーダーです。
目的実現のために「やること」「すること」が軸となるリーダーですね。

そのリーダーシップの目標は「うまくやる」であり、基本方針は「やらせる」です。

答えはリーダーが知っています。
リーダーの示す答えにむかって、メンバーがいかにうまく行動するか。
うまく行動しない場合は、いかに行動させるか。
マネジメントも指示・指導・教育、育成も「DO」の発想からなされます。

チーム内でリーダーが使う言葉は、

「これが正しい」
「この価値観が善だ」
「こう~べきだ」

になります。

すでにそのチームが目指す目標が明確でメンバーがみな合意している場合には、「DO型リーダー」は有効です。全員が同じ価値観を共有し、同じ幸せな未来を共有しているならば、あとは全員で一丸となってそれに向かうだけです。

しかし「答えのわからない状況」になると、とたんにそのメリットはデメリットにもなります。

そもそもその目標自体がよいのかどうかわかりません。
わからないから、メンバーも納得しきれないし疑心暗鬼。
そんななか「やれ」が続くと、心の疲労がたまってしまいます。

リーダーとしても自分の思うようにメンバーが動きませんから、ストレスもたまり、リーダー自身にも心の疲労が蓄積されます。次第次第に、本人が意識しないままに、強圧的になり威圧や権限でメンバーを動かそうします。
これではメンバーもリーダーも持つものではありませんよね。

多かれ少なかれ、いまの組織や人の問題はこの「DO型リーダーシップ」にだけとらわれていることが原因です。

「DO型リーダーシップ」はある限定された状況の中でのみ力を発揮するものです。

DO、つまり「やり方」とはつねに状況限定的であり、状況が変われば「やり方」はいくらでも変わっていきます。使っている事務用品でもパソコンアプリケーションでも、「やり方、方法、ツール」はどんどん変わっていきますし、わたしたちも自然に使っていきますよね。
リーダーシップも同じです。

「DO型リーダーシップ」は「やり方」にこだわり、その状況においてのみ有効な「正義」「正解」「価値観」にこだわりますが、「本質的」ではありません。
だから状況がずれてくると、どこかに無理が生じてくるのです。

BE型リーダーシップ

「答えのわからない時代」は、より本質的なリーダーが求められます。

それが「BE型リーダー」です。

「BE」とは、英語で「~である」。
つまり「在り方」そのものを、そのまま重視するリーダーシップです。

「わたしたちとは〇〇である。」
「わたしたちが本当に目指すものは△△である。」
「わたしたちの幸せとは□□である。」

つねにそんな「本来の在り方」を問い続けるリーダーシップです。

ひとりひとりが「自分はどう生きよう? 何を選ぼう?」と探している中、そのひとりひとりの「自分はどう生きよう? 何を選ぼう?」に向き合います。

つまりメンバーがそれぞれ「わたしにとって本当の幸せって何だろう?」を無意識的、意識的に求めていることを受け止め、メンバー全員がそれぞれ感じている「わたしにとっての本当の幸せ」実現のために力を尽くします。

そのためにメンバー全員が同じように目指せる「共有の未来」というものを、聴いたり対話したり自分自身深く考えつつ、メンバーと共有しながらまとめあげていきます。

だから示された「共有の未来」には、メンバー各々が「自分の幸せ」を反映させていますし、また「全員で作る幸せ」という新しい未来に心を弾ませることができます。

だからいざ「DO=行動」をやる場合にも、ひとりひとりが自覚しながらそれぞれの能力を思う存分発揮することができます。
「動かそう」としなくても、「みずから動く」チームになるのですね。

「BE型リーダー」は、本質的な問いに向き合い、それから導かれる具体的な未来へと、みんなの心をひとつにしていきます。

このように「BE型リーダー」は、組織やチームの「本来の在り方」をつねに中心においていますので、そのチームにふさわしい自分になるためにも、「自分自身の本来の在り方」をもつねに問い続けます。

「BE型リーダーシップ」とは、「本来で在り続けよう」とし続けるリーダーの在り方を指すのですね。

「BE」-「DO」-「HAVE」

「BE」-「DO」-「HAVE」

明確に順番づけられます。

「BE=在り方」が根っこです。
根っこがしっかりしているからこそ、目に見えてくるものが豊かで実りあるものになります。

そして二番目に

「DO=行動、やり方」

です。
「DO」はあくまでも「BE」から派生して出てくるものです。
「BE」という根っこがなければ、「DO」はつねに揺れ、疑心暗鬼になったままです。
「BE」のない「DO」はうまく進んでいるときは気づかないのですが、困難や問題にあたったとたん“根無し草”のように、本人にもメンバーにも会社全体にも、苦しさやストレスがクローズアップされてしまいます。

まず「BE=在り方」、そして「DO=行動、やり方」。
そうしたら最後に果実として、さまざまな「HAVE=持つ、所有、実現」がもたらされるのですね。

「答えのわからない時代」は、「BE型リーダーシップ」に堂々と変わることができるチャンスです。

なぜならば、「BE=在り方」という、古今東西人類の歴史で普遍的に培われてきたものを、自分自身に、チームや会社にもたらすことができるからです。

サン・テグジュペリの「星の王子様」で、王子さまは「大切なものは目に見えない」と言っていますが、目に見えないだけで「根っこ」にはどの時代にも「在る」のですね。

「DO」の時代は、どうしても「DO」を求めるのが人情です。世間全体がそうなっているのですから、リーダーシップも「DO型リーダーシップ」がよく取り上げられるのもむべなるかな、です。

でも「目に見える」部分が大いに揺らいでいる時代ですから、だったら「根っこ」へと思う存分目を向けられる時代になりました。

「BE型リーダーシップ」は今、これからの時代のリーダーシップでありながら、いつの時代でも変動の時代に普遍的に求められていたリーダーシップです。

BE型リーダーシップのはじめ方

そんな「BE型リーダーシップ」。
何をしていけばいいのでしょうか?

そんなに難しいことをする必要はありません。

「ここにいるメンバーの本当の幸せって何だろう?」

そんな気持ちで、メンバーひとりひとりに話を聴いてみることから始めませんか?

そして

「わたし自身の本当の幸せって何だろう?」

自分にもすなおに質問してあげて、会社で組織でチームで、本当にみんなと一緒に創っていきたいものをすなおに創っていってはいかがでしょうか?

シンプルにいいものは、どんな時代であっても、やっぱりいいものなんですね。

執筆者紹介

オフィスオントロジー
代表 友成治由

人と組織の可能性と創造性を引き出すメンター
人と会社を伸ばすメンタリングの専門家

10年超にわたる起業家育成や変革人財育成経験から得た実践知と、意欲心理学によるメンターメンタリングで人が本来持っている意欲、可能性、価値を引き出す。
主体性/リーダーシップ開発、メンター育成、メンター制度構築、チーム活性化などを支援。

哲学存在論専攻。
宮崎県出身。今もなまりはとれない。

経営メディア『経営プロ』にて執筆コラム掲載。
コラム「メンタリングで人や組織の可能性を引き出す」など

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