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人材育成/人材開発

さあ時代!経済産業省もうたう「人的資本経営」

経済産業省より、これからの日本の企業の行く末を左右するものとして、「人的資本経営」の必要性と推進がうたわれています。2020年9月には「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の報告レポートも公表されました。

 

「社員で会社は変わる」

「社員はすばらしい可能性をもっている」

「人と組織の可能性と創造性を引き出す」

 

本サイトでも言葉をかえながら、マクロにミクロにその重要性をお伝えしていますが、一言でいえばこの「人的資本経営」です。

 

「人的資本経営」

 

ようやく時代です。

目次

人的資本経営とは

経済産業省のホームページでは、「人的資本経営」をこう定義しています。

「人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。]


「人的資本」つまり、社員や従業員は会社にとって資本そのものである。
社員や従業員の教育や可能性開発に力を入れるほどに、それが業績としてはリターンとなって返ってきますし、しっかり会社をささえるもの(=資本)として、中長期的にも価値や競争力を生み出し続けるというものです。

人材とはいうまでもなく、会社ではたらく社員や従業員全員を指します。

すごくかみ砕いていえば、

「ひと」がやる気や創造性にみちているならば、「会社」もやる気と創造性に満ちているのですね。

ならば市場の変化も、環境の変化も、あらゆる問題は、ひとがやる気で創造性に満ちて取り組むためのもの。それをチャンスとして、生産性がもっと上がる方策を考え出汁たり、戦略目標を実現するためのアイデアや一体感を生み出すのです。

経済成長を生み出す人的資本

「人的資本」という概念は、1992年のノーベル経済学賞も受賞したゲイリー・ベッカー教授が提唱したものです。

それまでの経済学では、「資本(お金)」と「労働力(労働数)」があれば、一国の経済は増大すると言われていました。
しかし、デニソンによると、第二次世界大戦後25年間のアメリカの経済成長のうち、資本と労働力の寄与度は57%で、うち11%は教育水準の向上によるものだったのです。
かつ、残りの43%のうち、29%は制度の改善では説明しにくい「技術進歩」に因るものと説明されました。

技術進歩は勝手に進歩するわけではなく、「ひと」が線歩させるものですから、まとめると、
「11%(教育水準の向上)+29%(技術進歩)=40%」

なんと、経済成長のうち40%が「人的資本の増加による」可能性が非常に高いことがわかったのです。

上記はマクロ経済の統計数字によるものですが、言われてみれば、というか言われなくても、直観的に「その通りだよなあ」とわかるはずです。

あえてわかりやすく説明すると、江戸時代は東京から京都まで徒歩で2週間かかりました。
しかし、「人的資本が生み出した新幹線」により、今や2時間ちょっとでつくことができます。
168倍!も移動の生産性が上がったのです。

たった20年前ほど前でも、まだ携帯電話を持つ人は限られていましたし、お刺身だって「冷蔵」技術がなければ、いまだに山の方は保存された塩漬け干物がメインだったかもしれません。

もちろん物理的な技術だけではなりたちません。
「新幹線」を構想しグランドデザインを描けるのも「ひと」のなせる技ですし、「新幹線」を経済や経営にどう戦略的に活用するかを考えるのも「ひと」です。そんな思考技術やコンセプチュアル技術も人的資本のなせる技です。

新幹線を建造するお金をいかに集めるかという金融技術もあれば、社員たちによりやる気と能力を発揮して一つの目的にむかってもらえるかを考えるマネジメント技術もそうです。

それらがより教育され熟練化され共有化されることで、経済は成長してきました。

会社も同じですよね。
いまある課題をさばくだけであれば、単純労働だけでもいいでしょうし、最近だとRPAというソフトロボットなど機械化もあります。

しかし、いまある課題をよりよくさばくには、まったく違った方法でさばくには、いやいまある課題をチャンスとして、新しい価値を生み出すには…

すべて「ひと」のなせる技です。
このようにすなおに考えると、「ひとこそ会社の源泉」だとわかります。

人件費か?人的資本か?

わたしは「決算書」の功は非常に大きいと思うのですが、罪としては「ひと」に関する概念をコストにしてしまったということがあると思っています。

決算書では、「人件費」はコストです。
もちろん実際に、毎月費用としてキャッシュが出ていきますので、損益計算書に乗せるのはわかります。

しかし貸借対照表の「資産の部」や「資本の部」には「ひと」の項目はありません。
かろうじて特許権など、ひとが生み出した結果が乗っていますが、現在働いて日々価値を生み出している「ひと」は勘定科目にはのっていません。

「ひと」は値段をつけづらいし、やめたりはいったり流動性や価値の変動が高すぎるし…など計算しにくい側面があることはわかります。
わかりますが、「決算書」でしか判断しないと、どうしても「人件費」しか見えませんので、人の脳の仕組み上、「コストフレームワーク」でしか物事は見えなくなってしまいません。
((それくらい人は、無意識に見方がかたよってしまう…。人材、っていいますよね。まさに人は材料であるわけです。)

「決算書」は決算書で見ながらも、「コストフレームワーク」以外の判断基準をどこかにもつことが大切だとひしひし感じます。
それは、今は何か統一的な指標があるわけではないですし、あるべきかどうかも今はなんともいえませんが、経営者やマネージャーがたちが、「人間そのものに対する判断基準」を持っておいた方がいいと強く思います。

「企業は人なり」

といいますが、人は本来活かして、活かしあってともに喜びあうための存在で、消費し搾り取る存在ではない。そういった意味で、経営学は人間学であるはずです。

ただしそれは、倫理的道徳的にそうだからというだけでなく、純経済的にみても、企業の価値が上がるための方策でもあるのです。

社員・従業員は磨けば光る原石

「人的資本経営」は古来からのテーマでありながら、ようやく日本でも公の議題に上ってきた最新のテーマでもあります。
今回、「人的資本経営」がうたわれてきたのは、あたらしい時代の経営の在り方として大歓迎したいなあと思います。

目の前にいる社員や従業員たちは、磨けば必ず光る原石である。
磨けば磨くほど、社員や従業員だけでなく、経営者、企業そのものまでが光っていく。

上記の2文を書いていたら、ワクワクしてきました。

あなたの会社の社員、価値や可能性を引き出さないともったいないですよ。

執筆者

オフィスオントロジー
代表 友成治由

本質にまっすぐ。
本質から人と組織が可能性を拓く支援。

哲学「存在論」専攻。
自立的な本質的意欲を引き出す意欲心理学を専門とする。
元上場実現企業のトップコンサルティング営業。
本質にまっすぐに「意欲と価値」を見つめ、組織一体化、人材育成・人材開発、価値創造等、もっている本来の力を引き出すことで人と組織の可能性を拓く専門コンサルティング、研修、個人セッション等で支援

宮崎県出身。今もなまりはとれない。

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